相続の仕事をしていると、年何回は
『知らない相続人が出てきたんだけど、どうしよう』
という相談をいただきます。
ご家族の方でも、故人の戸籍を見たことがある方は少なく、
実は、再婚だった、他に子供がいた、養子縁組をしていたということがあります。
見知らぬ相続人が登場するのは、そんなに珍しいことではありません。
問題は、その『見知らぬ相続人』と遺産相続の話し合いをしなければならない、ということです。
どこの誰かも、どんな人なのかもわからない人と、
いきなりお金の話をするのはとても気が重いと思います。
ただでさえ、故人の過去を死後突然知ることになって戸惑っているのに、
相手から何を要求されるのか分からない不安を抱えながら相手と交渉しなければなりません。
見知らぬ相続人との交渉のやり方で、よく依頼者の方が言うのは、
相続人に対し手紙を送って、ハンコついて返信するよう要求したい、というものです。
正直、このやり方はお薦めできません。
相手方が怒り、かえって話がこじれることが多いです。
相手方からすれば、突然手紙が来てかなり戸惑います。
故人のこと、遺産の内容、手紙を送ってきた方(依頼者)の状況など、知りたいことだらけですし、
気持ちが落ち着くまで時間がかかります。
それなのに突然手紙を送りつけてきてハンコを押せ、と言われると、
『絶対協力したくない』気持ちになる方が多いです。
そして、一度こじれてしまうと、その後和解するのは困難です。
・丁寧に
・遠慮がちに
・正直に
上記3点を心がけていただき、ゆっくり信頼関係を築くようにしていただくといいと思います。