100メートル競走・陸上競技雑感

令和1年6月7日,サニブラウン・ハキーム選手が9秒97の日本新記録をマークしました。このことは記憶に新しいことと思います。

そのような中,昨日から陸上の日本選手権が始まりました。昨日は男子100メートル競走の予選と準決勝がありました。サニブラウン・ハキーム選手も出場しています。特にサニブラウン・ハキーム選手の準決勝の走りは見事でした。スタートで出遅れているのにもかかわらず中盤から加速して,多田選手やケンブリッジ選手を圧倒。あっという間に抜き去っていきました。かつて,男子100メートル競走において,このレヴェルの戦いをみたことはありません。。

サニブラウン・ハキーム選手の本日の日本選手権の決勝から目を離すことはできない。

ところで, 米国の陸上選手マイケル・ノーマンという選手をご存知だろうか。昨年,全米大学室内選手権男子400メートルで、44秒52の室内世界新記録を打ち立てた選手である。実は,ノーマン選手の母親は,かつて,浜松市立入野中学と西遠女子学園高校で陸上競技を行っていた斉藤伸江さんとのことです。斉藤伸江さんは 1989年,女子100メートルで11秒96の日本中学新記録(当時)を樹立した方です。私は斉藤伸江さんの2学年下です。もっとも中学高校とも同じ学校ではありませんでしたが,当時の陸上競技の関係者の中で斉藤伸江さんを知らない人はいないのではないでしょうか。先に記載した成績を始めものすごい成績を残されていました。そのお子さんが陸上競技で活躍している時代です。来年の東京オリンピックに出場するのであれば,是非注目したいと思います。実は,私は東京オリンピックのチケットが当選していて,男子400メートルの準決勝を観戦することができることになっています。こういう視点でもオリンピックを楽しみたいと思います(本木敦)。

2019/06/29追記

昨日の日本選手権の決勝を見ました。やはりサニブラウン・ハキーム選手が優勝でしたね。10秒02。このタイムの感想が「なんともいえない」というのはやはり逸材でしかないと思います。ちなみにこのタイムは朝原宣治さんの自己ベスト。時間は流れていると思いました。男子100メートル競走から目が離せません。

身寄りのない方の財産

最近、身寄りのない老人が増えてきました。親はすでに亡くなり、兄弟に先立たれ、自分は独身で過ごした本当に身寄りのない方です。先日、そのような方から「私が亡くなったら、財産はどうなるの?」とのご相談を頂きました。 相続人のいない方の財産は、最終的には国庫に帰属することを説明すると「それは、イヤだな~。」の一言。

それはそれで深刻な問題だと思いますが、もう一つ忘れていることがあるようでした。自分が亡くなった際の病院代から火葬・埋葬の手続きです。 身寄りのない方の葬祭については、墓地埋葬法9条で市町村が行うよう規定されてますが、人手と予算が足りない行政が本当に行うのかどうか・・・。 「そうか、それは困ったなぁ~。」と事の重大さを認識してくれたようでした。この方が抱えている問題をどのように解決していこうか、ただいま思案しております。(小出)

こば紀行#94 関ヶ原への道②~南宮山

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第94回目は南宮山

南宮山は大垣城から西へ約10㎞、関ヶ原合戦の主戦場よりも少し離れた南東に位置する。西軍総大将毛利輝元の養子、毛利秀元が大将として派遣され、この山頂に陣を張った。ところが、毛利隊は味方の出陣要請にもかかわらず、ついに戦闘に参加することはなかった。その際、兵を動かさない理由として苦し紛れに「今、兵に弁当を食べさせている」と答えたことから、秀元の官位をとって「宰相殿の空弁当」という言葉が生まれた。東軍総大将である徳川家康陣から見て背後にあたるこの場所から、1万5000の大軍をもってかかれば、あるいは形勢は逆転していたかも知れない。なぜに動かなかったのか...

南宮山はちょっとしたハイキングコースになっている。麓にある南宮大社を出発点として、標高419M、山頂付近の毛利秀元陣跡までは徒歩約40分はかかる。道中の登山道は決してなだらかでなく、この山道を登るほど、果たしてそもそも毛利軍に戦う意思があったのか?疑いたくなってしまう。息を切らし、汗だくになりながら山頂付近の毛利陣跡に到着すると、眼下には濃尾平野が広がり、遠く御嶽山や中央アルプスを遠望できる。近くに目を遣ると、前回訪れた大垣城を眺めることもできる。だが、肝心の関ヶ原主戦場は山の反対側…林や樹木で全く眺めることができない。なぜここに陣取ったか...

毛利秀元は智略に優れ剛勇の名も高かったが、関ヶ原合戦当時若干22歳、後見役として家臣の吉川広家と安国寺恵瓊の2人が付けられていた。安国寺恵瓊は西軍に参加し主戦論者であったものの、吉川広家が密かに東軍に内通し、南宮山麓に陣を張ることで毛利軍の進軍を押しとどめた。また、この場所に陣を張ったのは、当初、天下分け目の戦いは大垣城が主戦場になると目されていたため、毛利軍はそれを見込んで一早く大垣城を見下ろせるこの山頂に陣を張ったことによる。しかし、徳川軍が大垣城を通過して、そのまま石田三成の居城佐和山城を陥落させたのちに、西軍本拠地大坂城へ向かうとの噂があがり、西軍がそれを阻止すべく先回りした結果、関ヶ原が主戦場となった。

この噂の主は、徳川家康本人であると言われており(諸説あり)、大垣城が主戦場と目される中、自らが得意とする野戦に持ち込んで戦いを優位に導いた。また、西軍側に多くの内通者が出たのも、合戦に先立ち数々の謀略智略を巡らした成果でもあり、陣形だけ見れば一見西軍優位に見られるこの戦いは、戦いが始まる前にすでに大勢決していた。本番の前の準備がいかに大事か…なんだか普段の仕事にも通じるものを感じた。次回関ヶ原編はその裏切りの筆頭株、小早川秀秋が陣を置いた松尾山!(こばやし)

秘密証書遺言

遺言は、いくつか種類があり、それぞれ法律上の要件が定められています。その要件を満たさないと、内容が明確なものであっても遺言としての効力はありません。

例えば、動画で「●●に財産を相続させる」と残してたとしても、法律上の効力はないので、その動画をもって●●が財産を相続することはできません。

主な遺言として、①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言というものがありますが、簡単に申し上げると、①は全文自分で作成し、自分で保管します。パソコン等で作成することは許されず、基本的には全文自分で記載します。(一部財産目録の部分に限っては資料を貼付したり、パソコンで作成することも認められています)遺言者が死亡した際には、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要です。

※検認・・封印されている遺言書を家庭裁判所で相続人立ち合いのうえで開封する作業

②は、公証役場で公証人に遺言書を作成してもらいます。出来上がった遺言書は公文書として公証役場に保管されるため、偽造されるリスクもなく、万一紛失しても再発行可能です。家庭裁判所での検認手続きも不要なため、相続人の方にとって負担が少ないのですが、公証人への手数料が発生すること、証人が2名必要なこと、遺言書の内容が公証人や証人にばれてしまうことがデメリットと言えます。

実際にはほぼ上記の①か②を選択されることが多く、③を選択されるケースは非常に稀です。しかし、先日、「秘密証書遺言を作成したい」という方がいらっしゃいました。

秘密証書遺言とは、遺言の内容を誰にも公開せずに秘密にしたまま公証人に遺言の存在のみを証明してもらう遺言のことです。メリットとしては、遺言の内容を秘密にしたまま、公証人に遺言の存在を証明してもらえること、①と違い全文直筆でなくてもいい(遺言書の署名は自書が必要ですが、財産目録だけでなく本文もパソコンで作成可能な)ことだと思います。全部直筆で遺言書で書くのはしんどいし、遺言書の内容を知られたくないけど、あまりお金をかけたくない、という方には検討の価値があるのではないかと思います。 

 デメリットとしては、公証役場での手続きが発生するため、②の費用ほどではないものの、公証人への報酬が発生します。また、証人も2名必要です。さらに、公証人が証明するのは遺言書の「存在」だけで、遺言の内容までは公証人はチェックしないため、そもそも遺言自体が無効になってしまう恐れがあります。また、遺言書自体は公証人は保管しませんので、紛失、偽造の恐れも残ります。家庭裁判所での検認も必要です。

これらのことから、①、②と比較し、中途半端な印象がぬぐえず、結局①、②のどちらかを選択する方が多いです。相談者の方も①から③までの手続きを説明したところ、結果的には①をご選択されました。しかし、あまりご相談がないのですがあらためて遺言書の要件、メリット、デメリットを考え直すいいきっかけになりました。

「ネット討論」始めます!

「叶」の活動も5年目を迎えました。これまで、機関紙「想い叶う」のほかはブログを利用した情報提供を進めてきましたが、最近、思いつきで始めてみましたブログ上での公開討論がわりと好評でしたので、誌上討論ならぬネット上討論を新企画として始めてみようと思います。

 素材は、これまで「想い叶う」で書き溜めた原稿のなかから主にFAQを取り上げ、関連する意見や情報についてメンバーがコメントを残していく形式です。毎週月曜日に素材をアップし、1週間程度でメンバーがひととおりの意見なり感想なりを投稿。翌週は次のテーマに移るというイメージです。

 うまくいくかは未知ですが、楽しみながら議論を積み上げていこうと思っていますので、引き続きご笑覧ください!
 また、読者の皆さんからのコメントもお待ちしています!!  (中里)

叶(かなう)勉強会 新年度始動!

今日は、静岡県司法書士会の新年度が始まって初めての叶(かなう)勉強会でした!今までは、民事信託に絞って喧々諤々と議論をしてきましたが、今年度は、いわゆる終活につながるような法的制度の検討も視野にいれていこうということになりました。
確かに、民事信託も選択肢の一つですので、他の制度との役割の違いを意識しつつトータルで考えていくことも大切ですよね。もちろん、民事信託の研究も続けていきます。 新しい叶(かなう)に乞うご期待!(名波)

田植え

浜松市北区引佐町田畑に竜ヶ岩洞があることを知っていても,その近くに白橿の棚田というところがあるのを知っている浜松市民はそう多くはないだろう。

竜ヶ岩洞の入り口を右に見ながら急勾配を車で5分ほど進むとその白橿の棚田はある。

白橿の棚田で,6/2田植えをさせていただいた。手での田植えなんて何年ぶりだろうか,大学が農科だったこともあり,授業で田植えをして以来のことだった。2時間くらい黙々と作業をすると,汗でびっしょりになった。また,収穫の作業をさせてもらえるとのこと,自分で植えた苗がどこまで生長してくれるのか,秋に向けて楽しみが一つ増えた。

主催者が昼食にカレーライスを用意してくれた。市販のカレールーを3つくらい混ぜて前日から用意をしてくれていたそうだ。とても美味しくいただいた。

実はの主催者の方,コウモリの言葉を解読しているらしく,日本テレビの「月曜から夜ふかし」という番組で何度かコウモリ語について紹介しているという。早速その場でYouTubeで視聴した。斬新な主張がとても強く印象に残った。

普段は事務作業をすることの多い仕事であるが,たまに,このような田植え作業をするといつもと違う時間の流れを感じ,とても楽しかった。(本木敦)

認知症

先日、静岡県司法書士会定時総会にて理事に選任されてしまいました。予定としては、後日の理事会で「常任理事」という大役を仰せつかることになりそうです。現状は、「常任理事」ではないのですが、事実上その仕事を担っている状況です。自分の事務所の仕事もあるので、どのように司法書士会との仕事を両立させることができるのか、これが、現在の私の課題です。そのためには、何らかの計画を立てて実行することが必要でしょうが、まだその余裕もありません。 前置きが長くなりましたが、本日はこの「計画を立てる」というような能力について話します。この「計画を立てる」ということをもう少し細分化してみると、①目標の設定、②計画の立案、③計画の実行、④効果的な行動遂行、という機能に分けることができます。これらの機能を総称して「実行機能」と言うそうです。 認知症では、この「実行機能」に障害が生ずる場合があります。例えば、明日の予定であったり、仮定の話(もし〇〇ならば、××にする)であったりなど、目の前の現実ではない事柄について施行することが苦手になります。 人が目的をもって行動するためには、計画を立て、行動を開始し、計画に沿って順序立てた行動を行い、計画の進捗や周囲の状況に合わせて計画や行動を修正したり中止したりするなどの作業が必要となりますが、認知症の方は、こうした作業を行うための「実行機能」が低下し、見通しを持った行動をとることが難しくなります。結果として、金銭管理など日常生活に支障が生じてしまうのです。(小出)

帰属権利者の部分について

皆様、帰属権利者の部分はどのように定めてらっしゃしますか?

委託者が死亡で終了する信託で、特定の人に財産を承継させたいという希望がない場合、帰属権利者を定めなければ委託者の相続人になる、(結果的には相続、遺産分割と変わらない?)と単純に考えていたのですが、会員の方から質問をいただきました。

「条文上は、「信託行為に残余財産受益者若しくは帰属権利者の指定に関する定めがない場合又は信託行為の定めにより残余財産受益者等として指定を受けた者のすべてがその権利を放棄した場合には、信託行為に委託者又はその相続人その他の一般承継人を帰属権利者として指定する旨の定めがあったものとみなす。」となっており、信託終了後、財産自体が相続人に帰属することには変わらないが、財産に対する権利は帰属権利者間では平等であり、法定相続分とは違うのではないか。結果的に法定相続人と信託法の規定により帰属権利者となった相続人は、メンバー自体は変わらないが、帰属権利者間で話し合いがまとまらない場合には持分を平等となるのではないか」という質問でした。

要は、配偶者と子2名が相続人の場合、相続と異なり各3分の1となるのではないか、というものです。

権利の放棄は可能なので、協議がまとまる場合には特段問題ないかもしれませんが、相続人間で揉めた場合は相続と信託していた場合で結論が異なるのかな、と思いました。

信託財産の引継ぎの登記をやったことがなく、何となく「信託が終了したところで協議して決めればよいのでは」くらいの気持ちでいたのですが、今更ながら不安になりました。

必ず帰属権利者を決めておく、というのが一番かもしれませんし、そもそも「そんなことにはならない」とかあるのかもしれませんが、お知恵があれば教えてください。

こば紀行#93 海芝浦駅

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第93回目は海芝浦駅

今回は鉄道マニアの司法書士あらたま先生のリクエスト、首都圏でありながら駅から外に出られない秘境駅があるという。JR鶴見線は神奈川県横浜市鶴見区にある鶴見駅を起点に全長7㎞の本線と2つの支線からなる。京浜工業地帯のど真ん中を走るせいか、平日朝夕の通勤時間帯こそ本数は多いものの、それ以外の時間帯は1時間または2時間に1本、駅によっては日に3本しか走らない。そして、沿線は鶴見駅以外の全てが無人駅という、まさに都会のローカル線と呼ぶにふさわしいが、車両編成はここらを走る昼間の東海道線と同じ3両である。この鶴見線の支線の終着駅「海芝浦駅」が外に出られない駅である。

車窓からの風景は基本工場ばかりで、どこか富士市内を走る岳南鉄道に似ていて、都会でありながらどこかのどかな情景を感じることができる。休日車内の乗客層は鉄道マニアらしき人々ばかりで、おそらくあらたま先生もこのうちの一人であったのだろう。途中、浅野駅で海芝浦駅行きに乗り換え運河沿いの工場地帯を列車は進む。最後、大きくカーブをすると景色は一変、海と首都高湾岸線にかかる橋を眺めることができる。

駅から出られないとはどういうことなのか。。列車を降り改札口へと向かうと改札の向こうはそのまま東芝京浜事業所の入口へと繋がっている。この駅は東芝の工場敷地内、私有地であるため、東芝従業員・関係者でなければ改札をくぐり抜けることはできない。駅から出られない駅とはそういうことだったのだ。

とはいえ、物珍しさでやってくる鉄道マニア向けなのか、ホームの先には一般客でも出入りのできる「海芝公園」という小さな公園がある。ここの小さなベンチからは間近にある海だけでなく、はるか先の横浜ベイブリッジまで眺めることができ、都会の喧騒を離れ疲れた心を癒すには絶好の場だ。このスポットを推すあらたま先生がいかに病んでいたかがうかがい知れる(ご愁傷様!)。ただ、夕暮れ時の海と工場を背景にしたここからの景色は絶景らしく、関東の駅百選にも選定されている。病んでいるあなたもそうでない方も一度は行ってみる価値があるかも知れない。(こばやし)

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