こば紀行#76 浜名湖チャリ走②

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第76回目は浜名湖チャリ走②~東岸編

あれは良く晴れた土曜日だった。まだ残暑が厳しい9月のことだ。前日の結婚式からそのまま浜松に滞在した3名の仲間達とこばやしは8時にホテルロビーに集合し、このチャリ走の出発地となる弁天島に向かう。弁天島海浜公園で自転車をレンタルし、いざ、全長67.1キロ、浜名湖1周の冒険に出た!

透き通るような青空の下、4人は爽快に自転車を漕ぎ始める。心地よい風を切りながら、左右に湖面を眺め中之島大橋を渡る。進行方向遥か向こうにはパルパルの観覧車が見える。前半の東岸はほんとに自転車道がよく整備されていて、併走して会話もできる上に走っていてとにかく気持ちが良い。仲間達もずいぶんとご満悦の様子だった。村櫛のあたりからは道が湖面のすぐそばを通るため、波の音と潮の香りも感じることができる。が、今振り返ると、我ら一行が1番テンションが高かったのもこのあたりまでだった。

1時間半も走ると遊園地パルパルの裏側、舘山寺ロープウェイの直下にある、→写真のスポットに辿り着く。ここはその昔、同職の黒いK氏夫妻の思い出の場所だと聞かされていたので、仕方なく立ち寄った。2人の思い出を想像できるほどの想像力もないしその気もないが、良い場所なんだと思う。黒K氏のメモリアルスポットをあとにした一行は、浜松動物園前を通過し、気賀にあるうなぎ屋を目指して進む。が、この直後、仲間達が分裂する引き金となる難所に直面する…(つづく)

2018年10月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

自分でできる

最近、インターネットの普及、技術革新が進んだことにより「専門家は不要になるのではないか」という話があちらこちらで囁かれております。

現に、ネットには『自分でできる』『誰でもできる』などの謳い文句により、専門家に頼むより費用が安く出来上がるサービスを提供している業者がおります。

例えば、ある業者のサイトでは、会社設立を専門家に頼まなくても、予め決めれらた事項を入力すれば、自分で書類が作成することができ、指示通り進めれば無事会社が設立できるようになっています。費用も最低限で設立することができ、顧客満足度も非常に高いとのことでした。

また、ネットには様々な情報があふれています。中にはネットから書式の雛形を無料で取得し、法務局に相談の上、全部自分で手続きして会社を設立した人もおり、できる限り自分でやりたいという人は増えているそうです。

私としては、このようなサービスや行動を頭から否定する気はありません。顧客にとって利便性が高く、ニーズもありますし、今まで、専門家の方が『専門家』であることや『独占業務』であることに安心してしまい、大した努力をしてこなかったことも事実だと思います。

 

ただ、専門家に相談せずに手続した方の書類を見た際に非常に多く感じることは、『確かに手続きは完了しているけど、これって色々と問題あるな』というものです。

正直に申し上げまして、あからさまに間違っている場合や書類が足りない場合以外は、基本的には手続自体は完了します。ただ、手続きは完了しているからその方にとって過不足ない出来なのか、というと、大変失礼ですが、イマイチなことも少なくありません。(無論、その方にとっては安い方が大事なのでそが一番、ということでしたら大きなお世話ですが)

専門家の視点からすると、『ここをああしておけば、後々この業務をやる場合に便利なのに』とか、『この会社の株主構成の場合、この定款の文言だと将来揉める可能性があるから、やめておいた方がよかったのに』など、表面には出ていない問題に気が付くことがあり、相談してくれれば良かったのにと思います。

 

まずは専門家の側が、高い費用を払う価値があると思ってもらえるようになるのが先だと思いますが、費用だけで決められてしまうことに抵抗を覚える今日この頃です。

2018年10月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

法廷対決!

いきなり、いかついタイトルですみません。

報酬シリーズでも、司法書士は裁判手続きに携わっていることをご紹介しました。紛争額が140万円を超えない民事トラブルであれば、弁護士と同様、依頼者の代わりに相手示談交渉をしたり、訴訟代理を務めることもできます。

現在、私の事務所では、この手の事案が6~7件進行中ですが、このうちの半分は相手の代理人も司法書士が就任しています。
普段、顔なじみの同職が裁判の相手方となると「なれ合いが生じるのでは?」との疑問も聞こえてきそうですが、そこは仕事です。依頼者の目的を少しでも叶えるため、日々奮闘しております!

今までも、司法書士同士で裁判を争った事案は何度かありますが、ケースとしてはとても希少だと思います。
多くの司法書士が裁判手続きの受任をもっと積極的に取り組んでいく必要がありますが、私は県司法書士会の広報担当を務めている立場上、司法書士会全体としても、利用者の皆さんに「身近なトラブルは司法書士にお任せを!」というようなキャンペーン広告などにアイディアを募らせ、堅苦しくない効果的な広報活動を展開する必要もあると感じています。  (中里)

2018年10月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

自分に自信がある方ほど、専門家にご相談ください。

日頃、様々なご相談をお受けする中で気になることがあります。

最初から「○○をお願いします!」のように、ピンポイントで断定的な言い回しをされる方のご依頼です。

うん?と思い、敢えて詳しく事情をお聞きすると、「なるほど。そういう背景ならば、その手続きはより慎重に検討された方が良いと思いますよ」とお答えする場合が多いのです。

もう少しハッキリ申し上げますと制度の「勘違い」をされている方や、俯瞰的な見方が足りなくて、他の選択肢の検討がされていない方が多いのです。

特に「自分は法律のことはわかっている」と思われている方は注意が必要です。これは自戒の意味も込めてです。

来年、再来年に向けて、相続法の改正や民法の改正が施行されます。

今の制度でも、勘違いしているとすると法改正が加わることで益々問題が広がりを見せてしまうかもしれません。

法制度が変わるタイミングは自分の知識を整理するチャンスですので、そういうときこそ、法律専門家をご活用ください!

(名波)

2018年10月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

相続登記について(2)

遺産分割協議による相続登記には、相続という登記原因の発生根拠となる法律事実、すなわち相続人の確定、相続財産の承継方法・分割方法を証する戸籍謄本及び遺産分割協議書等を提供することになります。このため、戸籍謄本及び遺産分割協議書等の内容の真実性、有効性、適法性が確保されていることが重要となります。

次に日本の相続登記制度を考える前提として諸外国の相続制度を考えます。

死亡などの相続原因が発生した場合に被相続人から相続人に財産が移転する形態としては、包括承継主義と管理清算主義の形態があります。

包括承継主義とは、相続原因の発生と同時に、被相続人と利害を有する者との間で何らの清算手続を経ずに、被相続人の財産が包括的に相続人に移転する形態です。【債務】について包括承継主義では、被相続人の財産は債務も含めて一切が承継されるため、債務の相続を回避するためには別の手続(相続放棄、限定承認)が必要になります。これは、日本、ドイツなどで採用されている形態です。もっとも、この場合でも、限定承認の制度を利用している場合には、所定の手続を経れば清算主義に近い形態になります。(本木敦)

2018年10月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

信託の基礎

今回から、受託者について話します。信託法においては、信託財産と並んで受託者は必要不可欠な機関となっています。他の機関について一言申し上げますと、委託者は信託設定の段階では重要な役割を果たしますが、遺言信託のように信託が機能してからは存在しない場合もあります。受益者も「目的信託」という特殊な信託では、受益者が存在しません。しかし、信託財産と受託者は信託においては絶対に必要です。この点を最初に確認しておきます。

受託者は、信託財産について完全な所有権を有しています。しかし、これは「信託の目的」に沿った管理・運用・処分を行う義務を負う、特殊な所有形態でした。なぜなら、受託者は「他人(受益者)のため」に信託財産を所有しているからでした。この「他人(受益者)のため」を実現させるため、信託法は受託者の義務というものを用意しました。主なもので5つあります。

・信託事務遂行義務(29条1項)

・善管注意義務(29条2項)

・忠実義務(30条~32条)

・公平義務(33条)

・分別管理義務(34条) 

です。ここに挙げられた条文は必ずご確認いただきたいのですが、この中でも特に重要な忠実義務についてみていきます。その後、分別管理義務についても話してみたいと思います。

忠実義務は30条に定められていますが、この忠実義務から導かれた31条の利益相反行為と32条の競合行為が、信託契約の作成や信託登記における信託目録において非常に重要となりますので、次回、この2つを確認したいと思います。(小出)

 

2018年10月24日 | カテゴリー : 信託の基礎 | 投稿者 : trust

こば紀行#75 浜名湖チャリ走①

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第75 回目は浜名湖チャリ走

数年前、司法書士の合格同期の結婚式が浜松であった。県中東部からも同期の仲間がやって来るということで、浜松の観光案内をしろ!と私にリクエストがあった。そこで、こばやしが企画したのがこの「浜名湖チャリ走」…のちにこう名付けられたこの企画は、一部仲間の間では伝説(黒歴史)となっている。

企画の中身は至ってシンプルで、浜名湖をレンタサイクルで1周する、それだけだ。スタート地点は弁天島海浜公園、ゴールも同じ、走行距離67.1キロ、制限時間は約6時間半、浜松随一の観光スポットをサイクリングでのんびり堪能できる素敵な企画だ。

しかし、この企画は仲間達からの裏切り(大ブーイング)により道半ばにして頓挫することとなる。確かに、若干体力的にハードなのは否めないが、それ以上の絶景と爽快感、達成感を味わえるはずだった。今回、新たな挑戦者が現れたことで、当時を振り返りながらその全容をご紹介する。(つづく)

 

2018年10月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

相続財産管理人

現在、弊所で初めて『相続財産管理人』に就任しています。

『相続財産管理人』とは、亡くなった方に相続人がいない場合や、相続人全員が相続放棄をしたため結果的に相続する者がいなくなった場合などに、家庭裁判所によって選任されます。(通常は弁護士や司法書士が選任されることが多いです)
相続財産管理人は、亡くなった方の財産を調査し、不動産を処分したり、亡くなった方の債務を支払うなどして清算手続きを行い、清算後に残った財産を国庫に帰属させます。

また、相続人ではないものの、亡くなった方と特別の関係(縁故)にあった人(いわゆる特別縁故者)がいる場合、財産の一部ないし全部を取得できることがあるため、相続財産管理人は亡くなった方に特別縁故者がいないかを関係者から聴取します。

相続財産管理人に就任してまだ数か月ですが、見知らぬ不動産業者から『亡くなった方の財産で売却予定の不動産はありませんか?』と問い合わせがきたり、亡くなった方の預金口座が他にもないかを調査したりと新しい刺激を感じながら仕事をしております。

亡くなった方とは生前にお会いする機会がなく、どんな方だったのか全く知りませんでしたが、財産の内容や持ち物、関係者の方からのお話により、その方の人物像や人生を垣間見ることができるのもこの仕事ならではだと感じております。

2018年10月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

エンドレスの法改正

報酬シリーズが一区切り付きましたので、次のテーマを見つけるまで、閑話休題的に書き綴ります。

法律の仕事に携わっていると、避けて通れないのが法改正です。

私が司法書士試験に度合格したのは平成8年ですが、同じ年に民事訴訟法が大改正されました。試験は旧法からの出題でしたが、実務に足を踏み入れた途端に受験勉強時代の知識は使い物にならない事態に陥ったことを今でもよく覚えています。

その後も、破産法、不動産登記法、会社法、特定商取引法、割賦販売法、家事事件手続法、信託法など、実務でもよく利用する法律の大改正が続いたほか、この間には消費者契約法、成年後見制度に関する各種法律、民事再生法、特定調停法、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律など、司法書士実務を進めるうえで不可欠な新法も多数成立しており、常に新しい法律との格闘を繰り返している状態です。

そしてまた、民法というとても重要な法律に関し、相続法大改正、さらには債権法大改正が間近に迫っています。
この二つの法改正は、日常生活に多大な影響が生じるものであることから、入念な準備が必要となります。立ち止まっている暇はありませんね・・・  (中里)

2018年10月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

遂に、民事信託(遺留分)に関する判例が出た!

民事信託に関しては、いろいろな論点があるのですが、実務の歴史が浅いので民事信託に関する判例が出ていないと言われていました。

中でも、遺留分に関しては、学説が分かれていて実務的にも関心が集まるところでしたが・・

信託と遺留分に関する判例が平成30年9月12日に東京地裁で出たようです。

遺留分に関する学説には、大きく分けて【参考】に記載の2つがあります。

今回の判例は、公開されていないために詳細は不明ですが、一応、受益権説に立ちながら信託契約の効力を一部否定したようです。

いずれにしても、民事信託に関する実務は固まっていない状況です。だからこそ、法の趣旨に合致した実務が大切になると思います(ななみ)

【参考】信託と遺留分に関する学説

受益権説

  • 遺留分減殺請求の対象は受益権の付与であり、遺留分減殺請求によっても信託行為の全部または一部の無効を主張できない。遺留分権者は受益権の一部移転を請求できるにとどまる。

信託財産説

  • 遺留分減殺請求の対象は受託者に信託財産を移転する信託行為であり、遺留分減殺請求により信託行為全部または一部の無効を主張できる。

この判例がされているHPをご紹介しておきます。

遠藤家族信託法律事務所
http://www.kazokushin.jp/

民事信託・家族信託の徹底活用!
http://www.tsubasa-trust.net/2018/09/blog-post.html

2018年10月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust