シリーズ 信託の”肝”(17)

「プランニング」という項目の一つとして税の話題が続きましたが、税の話はいったん終了。
今回からは、同じ「プランニング」の観点から、他の話題を書き留めていきます。

私たちが、課税と同じように慎重な注意を払っている点に、信託の終了時まで見通しを立てておくことがあげられます。

民事信託は、内容によっては、長期間にわたって受益者の生活を守っていく使命を帯びることになります。
契約締結から信託終了までの間には、委託者や受託者などの関係人が死亡したり、判断能力が低下して業務が遂行できない事態に陥ったりすることも考えられます。
親亡き後の場合、受益者たるお子さんの障害の状況が悪化することも想定できます。
また、生活環境の変化に伴う受託者の経費、受益者の生活費等のコスト変動にも対応できるようにしておかなければなりません。

信託には、先を見通す力も求められるわけです。 (中里)