(前回の続き)
このシリーズでは信託をすると、何故名義変更をしなければならないのか,という点をご説明していますが,3つ目の理由は,信託契約の内容を確実に履行するためという理由です。
日本の社会では,所有の名義人が様々な手続をします。不動産の売却であったり,建物の増改築,大規模修繕,建物解体,借り入れの際の抵当権設定などを思い浮かべていただければスムーズにご理解いただけるものと思います。
受託者が信託契約の内容を確実に履行していくには,委託者の名義のままでは様々な障碍が生じてしまします。
このため,信託では名義を変更する必要があるのです。
これまで,信託ではなぜ名義変更をするのかという論点に絞って解説してきました。
信託のご相談のときに,名義変更をすることをお話すると,不安になる方もいらっしゃいました。信託では名義変更をしますが,委託者ものではなくなるということではないことをご理解いただければ幸いです。
(本木)