第17条 報酬②

第17条(報酬)
1 〈略〉
2 信託事務処理代行者を置く場合の報酬は、各専門職が所属する事務所の定めるところによる。
3 信託監督人の報酬は、月額1万円 (税別)とする。

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モデル契約書最後の条文です。
信託手続きに関与する専門家の報酬に関する定めです。

監督機能を強化することによって信託制度への信頼を高める趣旨から専門家を信託監督人に選任することを推奨しておりますが、一方で費用が高額化することは、信託の普及を妨げる要因ともなり得ます。
利用者の利便性を考慮し、信託監督人の報酬は月額て低額に抑えることが求められるでしょう。  (中里)

調停人のスキルが民事信託にも活きる⁉

先日、宮城県司法書士会さんに、調停人養成講座の講師としてお招きいただきました。

調停では、相手の話を「聴く」ことがとても重要になります。そして、「聴く」には、「適切に言語化する」も含まれていると思っています。

民事信託のご相談をお受けするときも、委託者の想いをいかに「適切に言語化」するのかを意識しています。

調停人としての勉強や実践から身に付くスキルが、民事信託の実務にも活きると思っています。(ななみ)

2018年2月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

司法書士特別研修

司法書士特別研修のチューターを拝命していましたので,この日曜日月曜日と横浜まで行って参りました。

司法書士特別研修とは,日本司法書士会連合会が実施するもので,司法書士が簡裁訴訟代理等関係業務を行うにあたって必要な能力を習得することを目的とする研修です。この研修は毎年2月に全国の主要都市を会場として実施されていて,今年で第17回目です。私も第4回目に受講しました。静岡の受講生は神奈川の会場になることが多いのですが,私は諸事情で神戸の会場で受講したことを覚えています。

実は,今年で5回目のチューターでした。例年,合格したばかりの司法書士と触れ合うことで,フレッシュな感じを思い出しています。

私の担当するパートは例年通り,金銭請求訴訟の模擬裁判です。今年から新しい事例になり,少し戸惑いましたが大きな混乱もなくほっとしました。この模擬裁判では,尋問を経験できる大変貴重な機会です。私もこれまでに数える程度しか尋問を経験していません。この研修で経験した尋問が実際の訴訟で大変参考になったと感じています。

この研修が受講生にとって実りのあるものになることを願ってやみません。

文責:本木敦

2018年2月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

遺言について~⑧~

今回は遺留分の具体的な割合について話します。

その前に、遺留分は全ての相続人に認められるのかというとそうではありません。被相続人(=亡くなった方)の兄弟姉妹には遺留分は認められていません。この点はご確認ください。

遺留分の具体的な割合ついては、一般的には、法定相続分の2分の1が認められています。2分の1が遺留分の原則と思っていただいて結構です。例外として、相続人が父や母のように上の世代だけの場合には、2分の1ではなく3分の1になります。(小出)

2018年2月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

こば紀行#52 上呂と下呂

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第52回目は上呂と下呂

下呂温泉第2弾、前回(こば紀行#7参照)やり残したことを中心に取り上げる。下呂温泉へのアクセスは前回と同じく青空フリーパスを利用、特急を使わなくてもおよそ4時間ちょっとの道のりだ。観光案内所ほか、各お土産店等で販売されている湯めぐり手形があれば、1300円で加盟旅館の日帰り温泉を3か所利用できるというところまでは前回ご紹介済み。

今回はそんな下呂温泉を無視してまず向かったのが上呂駅。高山本線下呂駅から高山方面へさらに3駅行ったところにある。下呂に対して「上呂」という地名に惹かれ、何の予備知識もなくこの駅に降り立ったのだが…結論、何もない。いや、何も発見できなかったと言うべきか。期待していた上呂温泉らしきものもない。岐阜県下呂市萩原町上呂…あとはあらたま先生の解説に譲る。

仕方なく近くを通る国道沿いの「大安食堂」へ寄った。お昼も14時を回ったというのに満席だ。店内はスキー帰りの若者やトラックの運ちゃん、地元の人で賑わっている。皆さん、名物の「とんちゃん」がお目当てのようで、私もそれを注文する。豚肉をキャベツや玉ねぎと一緒に少し甘めの味噌ダレで炒めたもの、トッピングでうどん玉を追加した方が良い。

帰りに下呂温泉へ寄る。前回やり残したこと、それは飛騨牛ラーメンを食すること。飛騨川を渡り温泉街を左に入ったところ、温泉博物館近くにある「飛騨屋」のそれだ。普通の醤油ラーメンに飛騨牛が麺を覆うように乗っかっただけなのだが、これがうまい。1200円。最後は下呂温泉合掌村へ。当日は雪が降りまあまあ情緒的な1枚が撮れた。雪道を滑らないよう踏ん張りながら20分歩いただけのことはあったと思う(自己満足)。が、基本は白川郷から移築したものなので、ここまで来たなら白川郷まで行くべし。 (こばやし)

 

 

 

2018年2月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

相続のやり直し

先日、5年以上前に亡くなった父親の相続手続きのやり直しをしたい、との相談を受けました。

 

亡くなられた方(父親)には、妻(相談者の母)、と相談者を含む何名かの子がいたそうで、

皆で話し合った結果、長男(相談者から見ると兄弟)が後継ぎということで、実家など他の相続人より多くの財産を相続したそうです。

 

しかし、最近になってその長男が亡くなり、父親から長男が相続した財産を、長男の嫁や子(亡くなった方の孫)が相続することになったため、遺産分割協議の際に思い描いていた方向性と変わってしまったそうです。

 

相談者の方としては、『長男が後継ぎとして相続し、実家を守っていくなら納得できるが、それができなくなった以上、長男の相続人ではなく、自分たちの兄弟の誰かが相続して守っていくようにしたい』との思いをお持ちでした。

 

相談者の方としては、相続するのは○○家の財産であり、○○家の者が継いでいくべき、とのお考えでご相談いただいたのですが、一度相続手続きが完了し、名義変更したものを別の方に名義変更することは容易ではありません。

 

もし、やり直しをしたいのであれば、相続人全員で決めた『遺産分割協議』という契約を解除する必要がありますが、相続人の一部の人が勝手に解除することはできません。

 

また、一度相続手続きが完了した財産を別の方に名義変更すると、『贈与』とみなされ贈与税が課せられる場合があります。

 

この場合、長男が相続した財産の処分は、長男ご自身の遺言書があればその内容に従い、遺言書がなければ長男の相続人の判断で行われることになり、相談者(長男のご兄弟)が干渉はできません。

 

相談者は納得いかない様子でしたが、一度名義が変わってしまうと、『あれは○○家の財産』は通用しません。

 

相続の名義変更の話し合いの際は、今後色々な事態により、財産の行方が変わる可能性があることにご注意ください。

2018年2月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

第17条 報酬

(報酬)
第17条 本信託の受託者の報酬は、定めない。
(以下、続く)

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報酬の取り決めは事案ごとによって異なりますので、金額まで一律に決められませんが、モデル契約書案では受託者の報酬は0ないし実費弁償程度にとどめ、残余財産がある場合に受託者に優先して引き継がせることを想定しています。
信託財産が潤沢な場合、受託者が親族ではない場合、受託者が信託財産の管理をするにあたり事務費・交通費等の定期的かつ相当程度の支出が想定される場合などでは、毎月一定額の報酬支払いを可能としておいてもよいでしょう。

信託法の書籍のご紹介

今日ご紹介するのは、民事信託に関する書籍です。

「信託法からみた民事信託の実務と信託契約書例」(日本加除出版株式会社)

特に読んでいただきたいのが、コラムです。
実務でありがちな勘違いしそうなテーマについて言及されています。

(ななみ

2018年2月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

信託登記で悩んでいる案件(続き)

受託者ではない者の借入のために担保に供することができるのか。

この案件は管轄法務局に照会を出している。

と前回のブログで書いた。

先週,管轄法務局から回答を得た。結論としては,受理できないということ。

これはある程度想定していた回答だった。

では,信託目録で,受託者ではない者の借入のために担保に供することができる,と予め許容している場合にはどうだろうか。

追って報告したい。

(文責 本木敦)

遺言について~⑦~

本日は遺留分についてお話します。父を被相続人、息子を相続人という単純な事例で考えてみます。父が亡くなり、息子が相続の手続を進めようと遺品を整理していたところ、公正証書遺言を発見しました。その遺言には、全財産をご近所のAさんに遺贈させるという内容でした。このままでは、息子さんは相続人であるにもかかわらず、遺言によっては遺産を相続できそうもありません。遺言は故人の最後の意思表示ですから、尊重しなければならない面もあるからです。しかし、相続人が何も相続できないという結論は妥当であるのか考えてみたいと思います。

まず、遺言者の立場から考えると、自分の財産を自由に処分することができるのは当然ですから遺言は尊重されるべきだということになります。財産処分の自由ということです。

では、相続人の立場はどうでしょうか。そもそも相続制度というのは、遺族の生活保障という面がとても大きいと思われます。それにもかかわらず、遺言者の考えだけで相続人の生活をないがしろにするのも問題があると思われます。つまり、相続人の保護も必要だということです。

このことから、遺言者の財産処分の自由を許しつつも、相続人に一定の割合の財産の承継を保障することも重要です。このように、相続人に一定割合の財産承継を認める制度を遺留分制度といいます。この制度によって、遺言者による自由な処分に制限が加えられることになります。(小出)