依頼者から学ぶ

最近、不動産の名義変更の依頼を受けました。人が亡くなると、その方に関する様々な手続(このような手続を、私たちは “死後事務”と呼んでます)を済ませなければなりません。

不動産の名義変更もその一つですが、亡くなってから数カ月後に依頼が来る場合も珍しくありません。

ところが、先日のご依頼者は亡くなってから約1か月後に依頼が来ました。「不動産の名義変更を先行して済ませるのかなぁ。」と思って、いろいろお話を伺っていると、どうやらこの名義変更が最後の手続のようです。とてもお元気?なご遺族で、とにかく“死後事務”をパッパと済ませたいとおっしゃっていました。

相続に関するご依頼は、月日が経過しても、心の整理がつかないご遺族も多々見受けられますので、今回のご依頼者に関しては、少し安心をしておりました。

名義変更も終わり、書類をお届けに伺うと、開口一番「これで、ようやく悲しみと向き合える。」とおっしゃいました。

張り切って手続を進めていたのは、亡くなった方と向き合う時間が欲しかったんだなぁと、初めて依頼者の気持ちを理解することができました。

私たちは、依頼者から教わることが、たびたびあります。今回もその一つになりました。(小出)

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す