依頼者から学ぶ

最近、不動産の名義変更の依頼を受けました。人が亡くなると、その方に関する様々な手続(このような手続を、私たちは “死後事務”と呼んでます)を済ませなければなりません。

不動産の名義変更もその一つですが、亡くなってから数カ月後に依頼が来る場合も珍しくありません。

ところが、先日のご依頼者は亡くなってから約1か月後に依頼が来ました。「不動産の名義変更を先行して済ませるのかなぁ。」と思って、いろいろお話を伺っていると、どうやらこの名義変更が最後の手続のようです。とてもお元気?なご遺族で、とにかく“死後事務”をパッパと済ませたいとおっしゃっていました。

相続に関するご依頼は、月日が経過しても、心の整理がつかないご遺族も多々見受けられますので、今回のご依頼者に関しては、少し安心をしておりました。

名義変更も終わり、書類をお届けに伺うと、開口一番「これで、ようやく悲しみと向き合える。」とおっしゃいました。

張り切って手続を進めていたのは、亡くなった方と向き合う時間が欲しかったんだなぁと、初めて依頼者の気持ちを理解することができました。

私たちは、依頼者から教わることが、たびたびあります。今回もその一つになりました。(小出)

農地を信託したいという相談を受けました2

続きです。

農地法3条1項には,農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。

とされています。

農地について所有権の移転をするには,農業委員会の許可を受けなければならないわけです。

しかし,同じく農地法3条2項には,信託の引受けにより所有権、地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を取得する場合には,農業委員会は許可をすることができないとされています。これは,市街化調整区域でも市街化区域でも代わりはありません。

一方で,農業協同組合などがの信託の引受けの事業を行う場合には,農業委員会の許可を要しないとされています。

農地は所有者が耕作せよ,もしくは,農協などに任せよといった感じでしょうか。