東日本大震災から月日が経ちましたが、復興途上である被災地へ、司法書士は相談業務等のお手伝いをしています。昨年12月、微力ながら私も伺いました。
現地に着くと、市の職員の方が応対してくれました。その方をAさんと呼びます。Aさんと話す時間がありましたので、いろいろな話をさせて頂きました。
震災当時、Aさんは高3生で就職も決まり、これから社会へ踏み出そうとしていました。自動車免許取得のため教習所にいたところ、地震に見舞われたとのことです。当然、教習は中止となり、教習生全員が帰路につくことになりました。Aさんが家族の迎えを待っていると、友人のBさんが家族と連絡がつかないため、送迎用のバスで帰るとAさんに言い残してバスに乗り込みました。それが、Bさんとの最後の対面だったとAさんは述懐しています。バスは海岸沿いを走っていたため、津波に襲われたそうです。
Aさんは「これは、人づてに聞いた話ですが…」と話を続けました。要約すると、Bさんのお父さんは、いろいろな避難所を周ってBさんを探し続けたということ(父ひとり娘ひとりの父子家庭だったそうです)、真面目なBさんは、バスの中でシートベルトを着用した姿で発見されたとのことでした。
野々垣委員から「南海トラフ地震に関する市民公開シンポジウム」のお知らせがあったので、このブログに書き記してみました。(小出)