信託の基礎

前回は、利益相反行為の禁止に関する31条1項について話しました。では、利益相反行為はすべからく禁止かというと2項でその許容を定めています。

図7

1号は信託行為の許容の定め、2号は受益者の承認、3号は包括承継、4号は合理的必要性・受益者の利益・正当理由です。

前回の事例は利益相反行為に該当すると判断しました。そこで31条2項1号の信託行為の許容の定めを信託契約に記載しました。つまり、物上保証ができるようにしたわけです。

これが委託者の要望だったからです(余談ですが、委託者は孫へ贈与の意向があったものの税の関係から断念し、信託設定を選択したものです)。

このように、信託設定・信託契約の段階から携わった場合は、委託者の意向をしっかり汲み取って、利益相反行為に該当する事項があれば、あらかじめ信託契約に反映して31条2項1号の利益相反行為の許容を定めておくことが大事です。これは、登記の方にも影響します。信託登記の後続登記として抵当権設定登記をする際、信託目録に利益相反行為の許容を定めておけば安心して取り組むことができます。絶対に見落としてはいけない条文です。(小出)

 

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2018年11月19日 | カテゴリー : 信託の基礎 | 投稿者 : trust