信託契約によって委託者の財産が信託財産として受託者に移転した場合、贈与税がかからないのが原則です。
先日、久しぶりに民事信託のある書籍を読んでいいたところ、ハッとした言葉がありました。
「特定委託者」という言葉です。
相続税法第9条の2によると、「特定委託者」に該当すると、「信託」による移転でも贈与税がかかるということになります。よくよく考えてみると、この言葉は、民事信託の勉強し始めのときに学んでいた言葉でした。そのときも税務上の知識をしっかりと学んでいないといけないという意味でハッとしたことを思い出しました。あらためて、原点に戻って勉強を続ける大切さを感じた瞬間でした。
さて、お待たせいたしました。
「特定委託者」とは、信託の変更をする権限を現に有し、かつ、その信託の信託財産の給付を受けることとされている者をいいます。
例えば、帰属権利者になっている受託者が何でも変更できるようになっている信託契約です。民事信託を勉強されている方であれば、この事例に対し違和感を感じることができると思います。税務上の問題だけでなく、そもそも民事信託としての体をなしていない状態だと思います。これからも常に基本に戻りながら、勉強を続けていきたいと思います。(ななみ)