受託者になったら

信託契約を締結すると、『受託者』となられた方に『信託目的に従って、受益者のために、委託者が信託した財産を管理・処分する権限が生じます。

よって、信託契約後、様々な契約の契約者を変更したり、信託財産管理用の口座を作成したり、管理に必要な行為をどんどん行っていく必要があります。

これらの手続きは、信託契約を締結しても自動的に変更されるわけではなく、受託者が自ら役所や金融機関、各関係機関に連絡し、様々な手続きをしなければなりません。

実際に信託契約を締結した方から、これらの手続きが想像より大変、何をしたらいいのか分からない、というご相談を頂くことがあります。

我々司法書士にご相談をいただいた場合、受託者となられる方に対し、契約締結後にどのような手続きをしなければならないのか、代表的な手続きや重要な事項についてはご説明しますが、管理・処分行為自体が多岐にわたるため、全てを詳細に説明することはできません。

また、信託の目的に反しない限り、受託者となられる方の判断で財産を管理処分することが認められているので、受託者の裁量部分による部分は、最終的には受託者に決めていただく他ありません。

受託者の方は、他人の財産を預かる立場になりますので、大きな責任が伴います。財産管理が雑でお金の使い道が説明できない場合や、手続きを放置していて受益者の方に損害が生じれば、損害賠償請求される場合もあります。

受託者になることは、大きな権限を手にすると同時に大きな責任を負います。

そこをしっかり説明し理解していただいた上で契約していただきたいと思います。

 

2018年9月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust