このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。
第56回目はこばの城攻め編第5弾、岐阜城
岐阜市は斎藤道三と織田信長のゆかりの地である。駅を降りるとすぐ、金ピカの信長公が迎えてくれる。このど派手な出で立ちとインパクトは当時の彼を彷彿とさせるが、いささか品がない。1567年、織田信長は美濃国斎藤龍興より稲葉山城を奪取、以後、岐阜城と名を改め、ここを拠点に本格的に天下統一への道を歩み始めた。龍興の祖父斎藤道三は、油売りの商人から大名にまでのし上がった下克上大名の典型だと思っていた。しかし、近年発見された六角承貞の古文書によれば、道三一代によるものではなく、父の長井新左衛門尉との父子二代にわたるものだそうだ。
金華山(旧名稲葉山)は標高329M、この山頂に岐阜城はある。山頂までは金華山ロープウェー(片道620円、往復1080円)が通じているが、各方面から山頂へ向かう登山道も多くあり、ちょっとしたハイキングにもなる。が、パッと見最短コースとみられる「馬の背登山道」は→のような看板にあるとおり、断崖絶壁に近い難所をいくつも乗り越えなければならない。「老人・幼児には無理です。」言い切るところがいさぎよい。このルートを選択したことを激しく後悔したが、それでもまだ下りだったのが不幸中の幸いだ。すれ違う上りの人達は、皆、死にそうな顔をしている。
山頂にある展望レストランは、窓側一面がガラス張りで、眼下に岐阜の街並みを、西に伊吹山を眺めながら食事ができる。私が頼んだのは「信長どて丼」750円。ベタな名前だが想像してたよりはうまい。からしとの相性が良くて、飽きてきたら唐辛子をかければそれなりに満足できる。赤味噌なのか、名古屋文化の影響を強く感じる。岐阜城の天守閣からも伊吹山のほか、名古屋セントラルタワーや遠く御嶽山まで見渡すことができる。期間限定で夜間も開館しているようで、ここからの岐阜の夜景はさぞキレイなのだろう。いずれにせよ、よく晴れた日でないとガッカリかもしれない。
帰りは例の金ピカ信長公が、私の乗る電車を見送ってくれる。背中に哀愁を感じる。(こばやし)