このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプ
チ観光スポットをご紹介していま
す。
第81回目は君ヶ浜海岸
東京から銚子駅まで約3時間、銚子駅からは銚子電鉄に乗り換える。銚子市とこの電鉄沿線はその昔、沢口靖子の出世作「澪つくし」の舞台ともなった地だ。銚子電鉄に乗り換え、沿線を散策できるように1日乗車券(1,000円)を購入する。車内は少しレトロな雰囲気で、乗客はほぼ観光客だ。目指すは終点外川駅、ガイドマップを片
手に、途中、気の向くままに乗降車する。
大概の人は終点外川駅か1つ手前の犬吠で降りるようだが、こばやしはそのさらに1つ手前の君ヶ浜で降車した。駅はもちろん無人駅、降りると辺り一面にキャベツ畑が広がる。そのキャベツ畑の真ん中を、一本の道がまっすぐ延びる。静寂な空気の中、キャベツ色の絨毯をひた歩く。松林を抜けると、様相は一変する。眼前に広がる君ヶ浜海岸は、少し波を荒げながら音を立て、時折カモメの鳴き声を交える。どんより雲と、無情に吹き付ける冷たい海風は、どことなく今年の自分を象徴している。
海岸から犬吠埼灯台、外川の漁村にかけて遊歩道が整備
されていて、散策好きにはたまらない。あれだけいた観光客だが、この遊歩道では全く見あたらない。あるのは白波を立てる冬の海と、沿岸に立ち並ぶ廃墟と化したホテルやテーマパーク…どんより曇り空と相まって、さながら昼の肝試しに似た雰囲気を味わえる。そして、歩くこと約1時間、外川の漁村にある定食屋「いたこ丸」で食事にありつく。何の下調べもなく、また他に選択肢もなく偶然辿り着いた店だが、とにか
く魚がうまい。ヒラメのフライ定食だったか、この偶然の出会いには感動した。
外川の漁村から少し犬吠方面に戻る小高い丘の上に「地球の丸く見える丘展望館」がある。文字通り地球が丸く見えるもので、330°のオーシャンビューを一望でき、天気が良ければ遠く富士山も望めるらしいが、この写真では何も伝わらないことだけはよく分かった。ほんとはもう少し足を伸ばして屏風ヶ浦海岸にも行きたかったのだが、残念ながらタイムアップ。。なんとも無念だが、共に歩く人選を間違えなければそれなりに素敵なコースだと思う。
【再募集】こば紀行では現在、取材同行スタッフを募集しています。健脚なあなた、ご応募お待ちしております。本年もご愛読ありがとうございました!(こばやし)
の屋台が所狭しと並んでいて非常に活気がある。
ちゃん達は自分たちの売る商品に絶対の自信を持っているのか、日本語で熱心に勧めてくる。「高級」であれ「韓国風」であれ、どんなものにどれだけの価値を見出すかは人それぞれだ。個々の価値観やその国の文化性もある中で、少なくとも私は本物を見抜く目を持ち続けたいと強く意識した。
をすることとなる。日本のデパ地下と同じ様に、食品売り場にはおばちゃん達が立ち、客を呼び止め試食を勧める。例外なく私も呼び止められ、そして、そのおばちゃんに勧められるがままに、種々様々なキムチ、チャンジャを次から次へと口に放り込まれる。南大門のおっちゃん同様、ここのおばちゃん達も随分日本語が達者だ。試食したチャンジャがあまりに美味しく、また、せめてソウルまで来た証を残さなければという使命感もあり、おばちゃんにお土産用のチャンジャをオーダーする。
でのショッピングで学んだこと、それは、本物を見抜く目を持つ以前に、断る勇気を持つこと。私のような気の優しい紳士は、海の向こうではただのカモとなる。そのカモは、1人ではとても食べきれない量のチャンジャを背負って帰国した。(ソウル編完)