民事信託を活用して受託者になる場合、信託業法は意識しておく必要があります。
「営利の目的」をもって「反復継続」して信託の引受けをすると、「営業」として信託業法による規制の対象になります。
通常、1回だけ受託者になるのであれば規制の対象にならないと言われています。
では、家族内で民事信託を活用する場合、同じ方が複数回受託者になれるでしょうか。
例えば、大々的に信託の引受けを行う旨を宣伝しているような場合には、たとえ1回のみの信託の引受けでも「反復継続」にあたるとされています。
反対に、複数回の信託の引受けであっても、反復継続の意思に貫かれていないのであれば「営業」としての引受けとは解されないとされています。
つまり、「営業」に該当するかは、行為の回数のみではなく、主観も併せて考慮されます。
断定的な回答はできませんが、家族内での限定的な民事信託の活用であれば、同じ方が複数回受託者になることは規制の対象ではないと言えるのではないでしょうか。(ななみ)