こば紀行#20 新横浜

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第20回目は新横浜ラーメン博物館

新横浜といえばラー博、私の中では新横浜の代名詞の様になっていて、司法書士になりたての研修期間中、神奈川近郊に滞在した際に足繁く通った場所です。新横浜駅から徒歩7分、浜松から新幹線で1時間ちょっとで来れてしまう程アクセスも抜群です(さすがに浜松からは足繁く通ってません)。

館内は1Fに展示物やショップなどが並び、B1F、B2Fが体感ゾーンと称して、全国各地の有名ラーメン店が9店舗程出店しています。1994年の開業時からある「こむらさき」や、「すみれ」などレギュラー店のほかに、その時々の話題性のある期間限定店が、定期的に入れ替わりで入るそうです。過去には徳島や和歌山ラーメン等もあったような…各店舗にはミニラーメンのメニューも用意されているので、色んなお店の食べ比べができます。

コンセプトは「全国各地のラーメンを飛行機に乗らずに食べに行ける」。その後の各地のフードテーマパークの先駆け的存在でもあり、尚且つ流行廃りの激しい同業界にあって、20年以上に渡り多くの人々を引き寄せるカリスマパークでもあります。今回私が訪れたのは雨の降る日曜、正午過ぎでしたが、入館までに30分、1店舗あたりの待ち時間が平均90分と、ディズニーランドを彷彿とさせる混雑ぶりでした。そろそろファストパス的なものができるものと個人的には思っています。

そういえば、浜松にも新浜松駅すぐそばに似たようなフードテーマパークがありました。私もオープン当初は「新横浜まで行かなくても食べ歩き出来る」と歓喜したものですが、気が付けばうなぎ屋ととんかつ屋だけとなり、やがて廃墟と化しました。流行に乗るのは簡単だけれども、絶えずニーズを掴み生き残るのはそんなに簡単なことではない。流行はただ乗るのでなく、自ら作り出さなきゃダメかもな…新浜松からはそんなことを学んだ気がします。(こばやし)

 

私の友人~その1~

私には、ユニークな友人が何人かいます。

その中のAという友人は、高校卒業後、東京にあこがれて上京し、なんとなしに就職してしまいました。

年末やお盆には帰省して顔を合せておりましたので、Aの東京での暮らしには、さほど心配はしておりませんでした。

 

20代半ばごろ、ゴールデンウィークの最終日である5月5日、アパートで暮らしていた私は、午前6時の呼び鈴に目を覚ましました。

「休みの朝っぱらから誰だ?」と思い玄関に出ると、そこには友人Aが、ボロボロな姿で立ち尽くしていました。

「どうしたの?」と声をかけると、「ふられた…」と一言発し、目に涙を浮かべ始めました。

彼女にふられたのは理解できましたが、ボロボロの姿が心配でしたので、再び問い直すと、

「歩いてきた…」と一言。

私は「東京から?」と聞くと、コクリと頷きました。

 

どうやら、彼女にふられて寂しくなり、2、3日ぐらい旅に出ようと歩いていたら、ふと、故郷の友人に会いたくなり、ゴールデンウィークの期間を使って、歩いてきたとのことでした。服がボロボロだったのは、公園などで寝泊まりしたからとのことでした。

 

私は地元の友人たちに声をかけ、Aのために宴を開催し、その日のうちに東京へ送り返しました。この一件以来、顔を合せるたびに「浜松へ戻りたいなぁ」がAの口癖となっていましたが、バブルが弾けた後の就職先は狭き門のため、Aだけでなく、私も含めた友人たちも、実現することはないと考えておりました。

 

そこから数年後、Aから次のような連絡が入りました。「俺、来月で会社辞めるよ。」(続く)(小出)