こば紀行#92 横浜散策②~港の見える丘公園ほか

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第92回目は横浜散策②

中華街を南下し、元町を経由して外人墓地を横目に坂道を上ると港の見える丘公園にたどり着く。この坂道を上っていると横浜がどれだけアップダウンの激しい街なのかを実感する。ぜーぜー息を切らせながら坂道を歩いた甲斐あって、この小高い丘の上にある公園からはその名のとおり、横浜港やベイブリッジを一望できる。残念ながら、当日は薄曇りのため大した絶景ではないが、夜間にカップルで来ればどんなバカップルでもそれなりの雰囲気になることは間違いない。だが、今回はただのこば紀行である。

港の見える丘公園からは遊歩道が延びていて、そのまま歩みを進めるとマリンタワー、山下公園を通過する。ここも四季折々の花々が咲き誇り、海を見ながらベンチに腰かけて佇んだりできる。もっとも、人が多すぎて座れるベンチもないのだが、歩いているだけで気持ちは昂る。夜間にカップルで来ればどんなバカップルでもそれなりの雰囲気になることは間違いない。ただ、おっさんの一人歩きだとこれ程辛いスポットもなかなかない。

遊歩道はさらに続く。大さん橋の客船ターミナルを過ぎると、横浜を象徴する建造物と言っていいであろう赤レンガ倉庫が眼前に現れる。その昔、サングラスをかけたおっさん二人がエンディングでこの倉庫前を走り抜ける刑事ドラマにハマっていたが、今は当時の倉庫を改装し赤レンガパークとして整備されている。横浜に住んでいる知人が、休日はとりあえずここに来れば退屈しないと言うほど毎週のようにイベントが開催されている。新港埠頭と呼ばれた一帯は、赤レンガパークはじめ、ワールドポーターズ、カップヌードルミュージアム、コスモワールドなど横浜でも屈指の観光地区となっている。因みに私が最も好きな光景は、夜間のコスモクロック(コスモワールドの大観覧車)で、まるでクイズタイムショックの時計台を連想させる輝きを放っている。

この後さらに歩みを進めれば、汽車道、日本丸メモリアルパーク、桜木町駅前、ランドマークタワー、クイーンズスクエアと続くのだが、これ以上のこば紀行は虚しくなるばかりなので以下、割愛する。(こば紀行横浜編、完)

2019年5月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

隣地との権利関係

最近、隣地にお住まいの方との土地をめぐっての相談をよくいただきます。

内容としては、『お隣さんが所有している土地が公道に面していないので、自分(相談者)の土地を通行しないとお隣さんは自分の家に入れない。仲が悪いわけではないし、お隣さんが通行しても困らないので自分(相談者)は通行を許可した。ただ最近はお隣との付き合いもないし、当たり前のように自分(相談者)の土地を使用されて嫌だ。土地を処分したいと思っているが、お隣さんとトラブルになるかもしれない』というようなものです。

逆に、相談者の方が土地を借りている方で、『隣地の方の土地をずっと好意で使わせてもらっているが、隣地の方が高齢になりいつまで好意で借りれるか分からない。使えなくなってしまうと自分が住めなくなってしまうので、何とか権利関係をはっきりさせたい』というような相談もあります。

 

いずれの場合も、貸主が好意で使用を認めている状態であり、借主は、貸主が「今後は使用しないで」といえば使用できなくなってしまう非常に弱い立場です。

しかし、借主の方にとってみれば、その土地が使えなければ現実的には自宅を使用できないということになりかません。

しかし、土地の貸し借りをし始めた当初は、「お隣さんだから気にしない」「助け合いのが当然」という昔ながらのご近所付き合いの考え方が強かったり、日用品の貸し借りの延長であまり深く考えずにやった方が多く、今になって曖昧な権利関係に悩まれているようです。

 

司法書士としては、相談者と隣地の方の関係性やその土地や周辺の状況により、いくつかの解決策をご提案することができます。しかし、その解決策を基に、実際に隣地の方と交渉していただいたものの、理解が得られず解決できない場合もあります。

 

不動産の権利関係はその土地の利用価値を決める大切な要素です。安易に考えず、専門家に相談し、手続きをしておくことをお勧めします。

2019年5月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

遺言や相続の手続きが変わります(14)~貸金債権の相続①

「他界した父が友人に300万円を貸していた」というケースを想定してください。相続人は妻と子①・子②の3名とします。

この場合の亡父から友人に対する「300万円の貸金債権」も相続人に承継されます。したがって、亡父の相続人3名は、父の死亡後であっても借主である友人に対し「金を返せ!」と請求できることになるわけです。

では、3名の相続人は、それぞれいくらの請求ができるでしょうか?「貸した金は300万円だから、相続人のうちの誰でも300万円全額の請求ができる!」と思いがちですが、そう単純にはいきません。
『相続の対象となった貸金債権は、相続開始(=このケースでは「父の死亡」)と同時に各相続人に法定相続分に応じて当然に分割されて帰属する』というのが、最高裁の考え方なのです(最高裁昭和29年4月8日判決)。
『法定相続分に応じて』なので、妻は150万円、子①・子②はそれぞれ75万円の貸金債権を相続することになります。
『当然に分割されて帰属する』というのは「遺産分割協議の対象にすらならない」ということを意味します。つまり、不動産のように遺産分割協議によって相続人の内のだれか一人(あるいは複数人)に相続させることができるのではなく、このケースの300万円は父の死亡によって直ちに150万円・75万円・75万円に振り分けられることになるわけです。

したがって、妻が父の友人に対し請求できるのは150万円だけであり、父の友人は、妻に対し150万円さえ支払えば、妻との関係では債権債務関係が精算されたことになるわけです。
妻が、3名分をまとめて300万円請求すること自体は可能ですが、この場合、子①→妻・子②→妻の75万円ずつの「債権譲渡」があったか、あるいは「取立て委任」(代わりに回収して!)という契約があったかのいずれかとなりますし、この場合に300万円の請求を受けた友人は、妻に対し「150万円以上は支払えない」と拒むことは許されます。

もっとも、相続人全員が「貸金債権も遺産分割の対象にしよう!」と合意したうえで、有効な遺産分割協議によって妻が一人で300万円を相続したとすること自体は、過去の裁判例でも認められています(京都地裁平成20年4月24日判決)。

また、子①→妻・子②→妻の75万円ずつの「債権譲渡」について有効な対抗要件を具備している場合も、妻が一人で300万円全額を請求できることになり、友人はこれを拒めません。
(債権譲渡の対抗要件については、改正論点となりますので次回詳しくご説明します)   中里

父と兄の共有の建物(土地は父名義)に父が住んでいる場合の財産管理

例えば、父と兄が共有の建物(土地は父名義)に父が住んでいる場合で、父からすると娘、兄からすると妹にあたる方から財産管理の相談がある場合、父の財産についての民事信託や成年後見制度の活用を真っ先に考えるのが通常だと思います。でも、私は、将来的に財産管理上課題がでてくるのは兄の名義の方であると思います。

相談者からすると、父が認知症になったり、認知症が進んだ場合に、施設に入所するための資金を土地や建物を売却できるか否かで頭がいっぱいです。兄の名義はそんなに気になっていません。しかも、兄が協力的であればなおさら、兄の名義のことについては考えることは少ないと思います。

よく考えてみると、父の方は、施設入所の目的であれば父の生活を支えるためですので、成年後見制度でも裁判所の許可を得れば土地や建物(父名義)の売却できると思います。

では、そのときに兄が交通事故や病気で寝たきりになっていたらどうでしょう。兄にも成年後見人を選任する必要がでてくると思いますが、不動産の売却の目的はあくまでも父の施設入所のためです。とすると、兄の後見人としては、兄の持分の売却には慎重にならざるを得ません。また、兄が他界した場合には、兄の相続人に売却のお願いをする必要がでてきます。

そこで、一つの選択肢として、考えられるのが、兄の名義をあらかじめ信託してもらうということです。

民事信託の活用も慎重に考える必要はありますが、いろいろなことを検討する中で、民事信託の活用できそうな場面というのが登場することがあります。(名波)

2019年5月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

影響を受けた名言(2)

カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー 新潮文庫 上419~420頁
「常に肝に銘じておくのだよ」パイーシイ神父は何の前置きもなく、単刀直入にこう切り出した。「俗世の学問は、一つの大きな力に結集し、それも特に今世紀に入ってから、神の授けてくださった聖なる書物に約束されていることを、すべて検討しつくしてしまったため、俗世の学者たちの冷酷な分析の結果、かつて神聖とされていたものは今やまるきり何一つ残っていないのだ。しかし、彼らは部分部分を検討して、全体を見落としているので、その盲目ぶりたるや呆れるほどだよ。全体は以前と同じように目の前にびくともせずに立ちはだかっているというのに、地獄の門もそれを征服できんのだからのう。はたしてこの全体が十九世紀間にわたって生きつづけてこなかっただろうか、今も個々の心の動きの中に、大衆の動きの中に生きつづけているのではないかね?すべてを破壊しつくした、ほかならぬ無神論者たちの心の動きの中にも、それは以前と同じように、びくともせずに生きつづけているのだよ!なぜなら、キリスト教を否定し、キリスト教に対して反乱を起こしている人たちも、その本質においては、当のキリストと同じ外貌をし、同じような人間にとどまっておるのだからの。いまだに彼らの叡知も、心の情熱も、その昔、キリストの示された姿より、さらに人間とその尊厳にふさわしいような立派な姿を創出することができないのだからな。かりにその試みがあったにせよ、できあがるのは奇形ばかりなのだ。このことを特に肝に銘じておくんだね、お前はまさに他界なさろうとしている長老さまによって、俗界におもむくよう定められたのだからの。おそらく、この偉大な日を思い出すことによって、わたしが心からのはなむけとして送ったこの言葉も忘れずにいられるだろう。なにぶん若いし、俗世の誘惑はきついので、お前の力だけでは堪えぬけないだろうからな。さ、それでは行っておいで、みなし児よ」

 

カラマーゾフの兄弟は、20歳台に読破した。ドストエフスキーだと、「罪と罰」は大変興味深く読んだのであるが、カラマーゾフの兄弟は、とても難しかった。しかし、上記の文章を読んで思ったことは、壁を苦労してよじ登るか、新しい壁を作るか、ということである。

2019年5月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

認知症

元号が平成から令和へと移りました。元号が変わる瞬間、皆さんはどこで誰と過ごしていましたか。ニュースでは、渋谷のスクランブル交差点で若者たちが騒いでいる様子が映し出されていました。友人同士で馬鹿騒ぎできるのも若さの特権でしょう!寛容に見ることができる部分は寛容に構えたいと思っています。

このように、私たちは時間(平成から令和へ)や場所(渋谷のスクランブル交差点)や人(友人同士)に対して正しい認識を持つことができます。このような認識を「見当識」といいます。この見当識に障害が生ずると「今がいつで、ここはどこで、あの人は誰か」ということが分からなくなってしまいます。認知症による見当識障害は、時間・場所・人の順で現れることが多いそうです。

時間は、最初に日付に関して症状が現れるようです。認知症が進行すると、5月なのに12月と答えたり、初夏なのに真冬と答えたりするように、季節までも間違えてしまうようになります。

場所は、慣れない場所で迷うことから始まるようです。進行すると、自分が今いる場所がどこなのか、なんのためにそこにいるのか分からなくなるため、病院で診察を受けていても自宅にいると答えるようになってしまいます。

さらに、自宅でも迷ってしまって、目の前にいる家族の顔を見ても分からず、初めて会った人に対するような挨拶をしてしまう、これが人に対する見当識障害です。認知症には、このような障害もあります。(小出)

2019年5月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

こば紀行#91 横浜散策①~中華街

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第91回目は横浜中華街

中華街へは、前職(中華料理チェーン店の店長)時代に何回か訪れている。「自社商品改良のための店舗視察兼試食研修」と称していたが、実質はただの食い倒れツアーだった。そのせいか、おススメの店とか言われてもあんまり覚えてないし、この記事に皆さんのご期待に添えるような情報もあるかどうか…ただ、この中華街、なぜか手相占いの店が多い。「視察研修」の度に手相を見てもらっていたのだが、見てもらうたびに私の手相は「天下取りの相だ」と言われた。なんでも徳川家康の手相と同じなのだとか。あれから10年…いまだ、何らかの分野で天下を取れた覚えはない。

最寄り駅はみなとみらい線の元町・中華街駅、JRなら根岸線石川町駅。今回は関内駅で下車し、横浜スタジアム内の公園を経由してやって来た。横浜スタジアムから中華街入口へは徒歩でもそんなに時間はかからない。GWの真っ只中とあり、中心街は身動きが取れない程の人混みだ。一昔前は甘栗の屋台が多かったように思うが、今は豚まんの屋台の方が主流のようで、この豚まん屋台の行列が、身動き取れない程の人だかりの要因となっている。

因みに「視察研修」当時で最も(唯一)インパクトに残っているのが、みなとみらい線方面から最寄りの天長門近くにある「招福門」のフカヒレランチ。確か2,000円程度でフカヒレのコースを堪能でき、一緒についてくる点心が絶品だったのだが、今はただの点心食べ放題の店に変わってしまった?ようだ。そして、中華街の特徴として食べ放題はハズレが多い(あくまで主観だけど)。

そんな中、今回食したのはスタジアム方面から延びる福建路沿いにある「東北人家」。旧満州、中国東北地方の料理を専門でやっているお店で、広東料理が多い中華街の他店とは一線を画している。角煮チャーハンをオーダー、ちょっとくどめの豚の角煮に青菜が良いアクセントとなっている。ただ、一人だと後半苦しい…4、5人で来て、いろんな料理を取り分けた方が楽しいと思う。横浜散策編この後も続くのだが、この街のおっさんの一人歩きはタブーである、、本シリーズはそんな空疎感に満ち溢れている。(こばやし)

2019年5月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

ゴールデンウィーク

あと数日で10連休のゴールデンウィークとなります。

司法書士はカレンダー通りの休みとしているところが多いため、例年は4月30日、5月1日、2日あたりの平日は事務所をあけているところが多いのですが、本年は役所が全て休みのため、10連休の所が多いのではないかと思います。

これだけ休みがあると、ご依頼いただいている仕事が溜まってしまい、処理が遅くなってしまうので直前の今頃になってバタバタしております。

せっかくのお休みなので、旅行を楽しんだりするのもいいのですが、ご家族でゆっくり今後のことをお話することをお勧めします。

普段ご家族といってもお忙しく顔を合わせてお話する機会はないと思います。

ゴールデンウィークやお盆は普段会えない方と相談するいい機会です。

ご本人の意思やご家族の意向を話し合い、ゆっくり時間をかけて検討していただきたいと思います。

2019年4月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

遺言や相続の手続きが変わります(13)~相続登記、今まで以上にお早めに? ②

【事例】(再掲)
A(父)が死亡し、相続人はX(私)とY(弟)の子供二人のケース。X・Y間で遺産分割協議をし、Aの遺産である甲土地はXが相続することとなったが、相続登記を終えていない状態。ところで、Yには借金がありました。Yに金を貸しているNファイナンスは、甲土地の相続登記が完了していないことに注目し、XやYの代わりにAからXY名義への相続登記を申請したうえで、Yの持分を差し押さえてしまいました。

先行する遺産分割協議で、甲土地はXが相続することとなっていますので、Nファイナンスによる相続登記は無効は?
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(前回の続き)
民法177条では、不動産に関する権利について登記を備えていない者は、他人に対し「自分が権利者である」と主張することができないことを定めています。
このことを法律用語では【対抗要件】とよびます。

事例では、X・Y間の遺産分割協議により甲土地の所有権者となったわけですが、未だ登記を備えていない状態です。
この状態で、Nファイナンスが、前回説明した「代位登記」の手法によってX・Y各2分の1の相続登記を備えたわけです。

ここで、遺産分割協議によりXが相続することになったのに、なぜX・Y共有の登記ができるのかという疑問もあるかと思いますが、X・Y間でどのような遺産分割協議がなされたのかという事実はNファイナンスの預かり知らぬ事実です。
また、相続開始後、相続人間で遺産分割協議が調うまでの間、遺産はすべて法定相続分割合による共有となるとするのが、同じく民法の考え方です。
したがってNファイナンスは、遺産分割協議が調う前の状態である法定相続分割合による、いわば暫定的な状態を登記したことになるわけです。もちろん、このような「代位登記」を誰でも申請できるわけではなく、Nファイナンスのように、甲土地を差押えできるような何らかの債権が存在している必要があることも、前回ご説明のとおりです。

さて、177条に戻りましょう。
Xは、相続により甲土地の所有権という権利を取得しましたが、その登記をしないうちにNファイナンスがX・Y共有の相続登記を申請し、かつYの持分を差し押さえたのですから、登記のないXは、登記を備えたNファイナンスに対し「所有権者は私だ。Y名義の2分の1の相続登記は無効だから、差押えもできない」とは、主張できないようにも思えます。
しかし、現行法では、相続により不動産の権利を取得した場合は、売買や贈与のように他人から権利を取得した場合と異なり、登記を備えていなくても権利の主張ができるものと考えられているのです。
この結論は「相続」の法的性質から導かれます。
「相続」とは、亡くなった方の権利や義務を「包括的に承継」
することと理解されていますが、平たく言えば、遺産に関する亡くなった方の権利や義務は、そのままの状態で相続人に承継されるものとイメージすればよいでしょう。
つまり、甲土地を相続したXは、甲土地の所有権者としては、亡くなった父(A)と同一人物と考えればよいことになるのです。同一人物であるなら、すでにA名義の登記がある以上、これをX名義の登記と読み替えて、X名義の所有権が登記されていると考えればよいということなのです。

したがって現行法では、相続登記を備えていないXが、Nファイナンスに対し「差押えの登記は無効」と主張できるのです。

一方、改正法では、自己の相続分を超える部分については177条の問題と同視するという趣旨の改正が施されます。
すなわち、Nファイナンスの代位登記によるY名義の相続登記は、Xの法定相続分ある2分の1を超える部分ですので、Xがこの部分について所有権の取得をNファイナンスに主張するためには、相続登記を備えていなければならないことになるわけです。

改正法施行後は「相続登記は今まで以上にお早めに!」とアナウンスしなければならない事情を、ご理解いただけたでしょうか?   (中里)

終活としての遺言から長生き対策としての民事信託へ

日本公証人連合会のHPによると、1年間の遺言公正証書の作成件数が平成21年で77,878件だったのに対し、平成30年では、110,471件にまで増加しています。いわゆる「終活」という言葉ができたことからもわかるように、ご自身の相続についての関心が高まっています。

そうした中、我々の事務所にも遺言の相談が寄せられることが増えています。相談に来られた方々のお話をお聞きしていると相続に関する関心はあるのですが、長生きされる分、認知症のリスクが高まっていることへの関心があまりないことに気づきます。

財産の名義の方が、認知症になってもご家族の方々が自由に財産の管理をできる、もしくは、やっても・・という方々が意外と多いことに驚いています。

成年後見制度に対するご理解がなかなか進んでいないことも気になるところです。

以前にも書かせていただきましたが、お元気なうちであれば、生前の対策としての選択肢がいくつか考えられるのですが、認知症が進むと成年後見制度のみになります。

成年後見制度はご本人の財産を守る制度なので、管理という面で厚く保護される分、財産の運用という側面では、柔軟性に欠けるところがあります。

人生100年と言われる昨今、ご自身の人生の中で、ご自身の財産に関してどのように考えるのかを早めに検討する機会をお持ちになることをお勧めいたします。

その一つの選択肢として民事信託があります。(名波)

2019年4月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust