後見制度について(2)

後見組織の形成は、たとえていうならば、自己の福祉を目的とする新たな会社を設立するようなものです。
どういうことかといいますと、株式会社では、株主の意思を尊重しつつも、取締役や監査役が実際の企業経営を行うように、
後見組織では、本人の意思を尊重しつつも、後見人が実際の財産管理・運用を行うことになります。
複雑なガバナンス(企業統治)のしくみを備える会社と同様に、後見のしくみは、相続に劣らず複雑であり、難解といえます。その難解さゆえに、その利用の仕方を一歩間違えると本人の福祉をかえって悪いものにしてしまうこともある制度ともいえます。 (本木敦)