賃貸物件に住んでいるのですが、契約更新の時期が近づき、管理会社から書類が届きました。書類を見ると契約書が入っており、近年の物価上昇のため契約更新と同時に賃料を値上げしたい。ついては署名押印して返信してほしい、と書かれておりました。
借地借家法という法律の規定により、①建物の賃料が固定資産税などの税負担が増減したり、②周辺地価の価格の上昇や低下その他の経済事情の変動により、又は③近隣の家賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、貸主・借主は、家賃の増減を請求することができることとされています。
しかし、相手方の要求に一方的に従う理由はなく、賃料値上げについて当事者間で折り合いがつかない場合、借主は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の賃料を支払えばよいとされております。(ただし、値上げした賃料が相当であるとの裁判が確定した場合は、不足分の賃料に年1割の利息を付けて支払う必要があります)
とりあえず、「近年の物価上昇」だけでは賃料値上げの妥当性が判断できないため、管理会社に対し、賃料値上げの根拠や値上げ金額の計算方法を教えてほしい旨を連絡しました。数日して管理会社から連絡があり、「従前の家賃のままでいいです。送った契約書は破棄してください」とのことでした。近年の物価上昇云々は一体何だったのか・・・
言われるがままに手続きする人だけが値上げとなるシステムのようで、なんだかもやっとしました。