遺言のご相談をお受けしていると、「遺書」と勘違いされている方々が多くいらっしゃいます。
確かに、遺言は書かれた方がお亡くなりになられたときに効力が発生しますが、すぐにお亡くなりなることを前提にしているわけではありません。ただ、どうしても「死」をイメージしてしまう方が多いようです。
実際、配偶者や子供のために遺言書を書こうとされる方が、いざ書こうとすると手が震えてなかなか書けないという光景を何度も拝見しています。また、子供たちが、親御さんに遺言書をかいていただこうと頼むと「私を殺す気か!」と怒られてしまったというお話もたくさんお聞きしています。
そんなときに、民事信託の選択肢のお話をさせていただくことがあります。民事信託は生前の財産管理機能と遺言機能の双方を兼ねているからです。
相続対策は多くの方々がやられるようになってきているのですが、生前の認知症対策のことまでは意識されていない方がほとんどです。
民事信託は長生きされることを前提にでてくる選択肢ですので、民事信託のご説明をさせていただくと皆さんの視点が変わることがよくあります。
だからといって、無理矢理、民事信託を選択することは本末転倒になってしまいますので、十分に検討しながら、どの制度がご自身の問題解決に最適なのかを見極めながら選択肢を決めていかれることをお勧めいたします。
(ななみ)