ゴートゥカトマンズ(2)

大阪港から上海に向かう船旅。当時48時間くらいの乗船時間だったと記憶している。

それは想像以上に厳しいものだった。出港して数時間後,激しい波に揺られることになる。

TTは相当辛そうにしていた。船酔いが激しかったのである。

私は,床にへばりつき波と同期する体重移動を心掛けていた。

そのためか,それほど激しく酔わなかったと記憶している。

それでも波が穏やかになると,4人でいろいろな話をして過ごした。

私とNTは同郷ではあるものの,SRとTTは出身が異なり,身の上の話となった。

TTは,年上の彼女がいるのだという。

当時交際している女性のいなかった私は,年上の彼女という響きだけで淡い妄想を抱いていた。

それだけ純粋な時期だったのかもしれない。

SRは目に力がありその鋭い眼差しは将来の栄光を見据えていたのかもしれない。

ともかくも,苦しい船旅を経て,いよいよ上海に上陸したのである。

(続く)文責本木敦