昨日、信託のご相談をいただき、契約書の作成や登記手続きをやらせていただいた依頼主からご連絡がありました。
信託の手続きは一通り終わり、
依頼主の方からすると『これからいざ財産管理を始めるぞ』というところだったのですが、
金融機関に行ったところ、受託者名義の口座が作成できなかったそうです。
(※ 財産を信託した場合、その財産が「信託財産」なのかどうか分かるように
必ず受託者名義(例:委託者A受託者B)となっている銀行口座を作成します)
金融機関によっては、『委託者A受託者B』という通帳が作成できず、
単純に口座の名義を『A』又は『B』にしてくれないか、と言われる場合があります。
これだと『A』や『B』の個人的な預金なのか、信託財産なのかが判別できません。
民事信託自体が最近活用され始めた制度なので、
法律上は整備されていても実務や現場が追い付いておらず、このような事態が起きてしまいます。
結局、この方についてはこちらから金融機関に説明して対応してもらうように交渉しているのですが、
なかなか対応が決まらない日々が続いています。
実務家としては、
『法律上どうなるか』の部分だけではなく、『実務上どうなるのか』についても考慮し、
手続きを進める必要があることを改めて実感しました。