第6条 受益者及び受益権

(受益者及び受益権)
第6条 本信託の受益者は、次の者とする。
静岡県浜松市・・・・ C
2 本信託の受益権は、譲渡、質入れおよび分割することができない。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++

このモデル契約書は、親亡き後に備え、委託者である親御さんの死亡時に信託の効力が生ずる「遺言代用信託契約」を想定していますので、受益者Cとは、障害を抱えるお子さん、引きこもりのお子さんなど独立して社会生活を営むことに支障があるような方を想定しています。

民事信託の場合、受益権を投資や換価の対象とすることは、受益者の将来にわたる生活保障という信託の目的に通常は合致しませんので、受益権の譲渡、質入れ、分割は禁止しておくのが妥当でしょう。

「遺言代用信託契約」としたのは、親御さんが元気なうちは親御さん自身が財産管理をするのが妥当であるし、それが親御さん自身の気持ちに合致するであろうという考え方によりますが、中には、親御さんの将来の身体能力や判断能力の低下に備え、契約の発効に条件を付さないケースも考えられ、この場合には条項を少し修正しなければなりません。
この点は、次回に譲ります。    (中里)