シリーズ 信託の“肝”(14)

贈与税の非課税枠を活用する三つめの方法は「特定障害者扶養信託契約」という制度の利用です。この制度が利用できるためには、いくつかの条件が整わなければなりません。

一つ目に、受益者の条件。
受益者が、重度の心身障害、中軽度の知的障害、2級・3級の精神障害などの認定を受けている必要があります。

二つ目に、委託者の条件。
委託者が、上記の受益者の親族などである必要があります。

三つめに、受託者の条件。
この制度を利用するためには、受託者は信託銀行のような信託業法の規定による登録業者でなければなりません。
したがって、ご家族のどなたかが受託者となることはできません。

非課税枠は、相続時精算課税制度を利用するよりも枠が大きく、障害の程度によって 6000万円 または 3000万円 までの信託財産について、贈与税が非課税となります。

(中里)