「叶(かなう)」のブログです。
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「本人の意思」の大切さ
私がこのブログで書いた記事を見返してみると、「意思」に関することが多いことに気づきます。
それくらい日々の業務の中で、「意思」と向き合うことが多いからだと思います。
特に、財産管理に関するご相談は、本人からというより、そのご家族からのものが多いのですが、その中で「本人の意思」よりも「ご家族の要望」が優先されていると感じることが時々、いや、結構多くあります。
「遺言があれば、本人が認知症でも、生前に、遺言に書かれている財産を処分できますか?」
「成年後見はなるべく活用したくないのですが、何かいい方法はありますか?」
「・・・・」
この他にも、ここには書けない相談がたくさんあります。
(上記の例もデフォルメしてあります)
このようなご相談をお受けする度に、「本人の意思」の大切をあらためて感じます。
本人の財産=ご家族の財産ではないこと、本人の財産を処分できるのは、「本人の(自由な)意思」に基づくこと(信託による事前の意思表示も含む)、それを補完する制度として成年後見制度があることを、ご相談をお受けする中で、しっかりと伝えていきたいと思います。(名波)
相続登記について(7)
次に、遺産分割協議書の「性質」についてです。
遺産分割協議によって、共同相続人はそのうちの一人に財産を多く分配すれば他の相続人の取得分は減るということになります。
従って、利害が対立する可能性がありますので、遺産分割協議書は当事者双方の意思の合致による契約に類似した財産処分を証明する文書と考えられます。
このため、契約による取引と同様にその内容の真実性を確認するべきものといえます。
(本木敦)
信託の基礎
最後に、信託の設定でよく書籍に登場する「後継ぎ遺贈型信託」について説明します。
まず、信託の設定方法は3種類あると申し上げました。「信託契約」「遺言」「自己信託」です。この中で、現在私たちグループが実務上取り組んだものは「信託契約」が圧倒的多数です。その「信託契約」の中でも、信託特有の財産承継方法として「後継ぎ遺贈型信託」と呼ばれる方法があります。
これは、例えばAを第1受益者とし、Aが死亡したらBを第2受益者とし、Bが死亡したらCを第3受益者とするといったように、財産の承継を何代も先まで決めることができる方法です。
ただ、承継先を永遠に指定することは問題があるので、期間に制限が設けられております。30年と規定されてますが、これがかなりややこしいです。条文は「・・当該信託がされた時から三十年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間・・」となってます。この条文をこれから説明しますが、その解釈は、実は2種類あるのです。
まず一つ目の解釈は、信託設定時から30年を経過した時点よりも後に受益権を取得した者(受益者連続が生じる時に生存している者)がいる場合、その者が死亡するか、または当該受益権が消滅するまで信託が継続する、という解釈です。これは、立案担当者の見解でもあります。
具体的には、A→B→C→Dという順番で受益者が定められていて、30年経過後にBが死亡した場合、Cは受益権を取得しますが、その後のDには受益権の承継はないという考えです。これは、信託設定時から30年経過した後は、先順位の受益者の死亡による後順位の受益者の受益権の取得は1回限り認めるということを意味しています。(小出)
koba紀行#80 ソウル②
このコーナでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。
第80回目は、こば紀行海外編~ソウル②
今回のソウル紀行の焼肉に次ぐメインイベントがショッピングである。おそらく大概の日本人観光客もそうなのだろう。ソウル市街地に「南大門市場」と呼ばれる場所がある。日本でいう「アメ横」のような場所で、食材からファッション関連まで様々な品物が揃っている。大勢の人が行き交う中、市場の屋台が所狭しと並んでいて非常に活気がある。
そして、驚くべきはこの国の「アメ横」には高級ブランドショップ、いや、「韓国風」ブランドショップ(屋台)が焼き鳥屋と同列に並んでいて、有名っぽいブランドの品々が無造作に転がっている。それも大変お値打ちな価格でだ。私にはブランド品の価値はあまりよく分からないし、興味もないが、屋台のおっちゃん達は自分たちの売る商品に絶対の自信を持っているのか、日本語で熱心に勧めてくる。「高級」であれ「韓国風」であれ、どんなものにどれだけの価値を見出すかは人それぞれだ。個々の価値観やその国の文化性もある中で、少なくとも私は本物を見抜く目を持ち続けたいと強く意識した。
結局、「韓国風」ブランドを買いそびれた私は、デパートの地下でショッピングをすることとなる。日本のデパ地下と同じ様に、食品売り場にはおばちゃん達が立ち、客を呼び止め試食を勧める。例外なく私も呼び止められ、そして、そのおばちゃんに勧められるがままに、種々様々なキムチ、チャンジャを次から次へと口に放り込まれる。南大門のおっちゃん同様、ここのおばちゃん達も随分日本語が達者だ。試食したチャンジャがあまりに美味しく、また、せめてソウルまで来た証を残さなければという使命感もあり、おばちゃんにお土産用のチャンジャをオーダーする。
おばちゃんは「これもサービスしとくね!これもおまけよ!」と、チャンジャをはじめ、類似商品を次から次へと袋に放り込んでゆく。量り売りのため、バーコードをレジに持って行き会計精算する。グラムいくらなのかもよく分からないし、聞く暇もない程の爆裂トークの勢いに押されたまま、手にバーコードシールを貼られレジに行くように指示される。彼女たちに言われるがまま、レジで会計をすると…
68000ウォン(゚ロ゚) チャンジャで6800円とな。。
韓国でのショッピングで学んだこと、それは、本物を見抜く目を持つ以前に、断る勇気を持つこと。私のような気の優しい紳士は、海の向こうではただのカモとなる。そのカモは、1人ではとても食べきれない量のチャンジャを背負って帰国した。(ソウル編完)
非上場株式について
相続や遺言の相談を受け資産内容を確認している際、『株式(有価証券)はお持ちですか?』と聞くと、『株はやっていない』『持っていない』という方がいます。
本当に株式を保有していないのであれば全く問題ないのですが、中には実際には株式を持っているのに持っていない、と思っている方がいらっしゃいます。特に非上場株式を保有している方は、保有している自覚がない方が非常に多いです。
株式会社(有限会社を含みます)に出資した方は、その会社の株式を保有します。しかし、最近では株券を発行しない会社の方が一般的であるため、会社の株主名簿には株主として記載されているものの、株主の手元には『株式を保有していることを証明する書類』がありません。
そのため、株主の方が株式を保有していることを忘れてしまっていたり、株主の方が亡くなった際にご家族が故人が株式を保有していたことに気が付かない場合があります。
会社経営者にとって、自分の経営する会社の株式を相続人の誰が相続すのかは会社の今後を左右する非常に重要な事項であり、予め遺言書を作成するなど慎重に対策をしておく必要があります。
また、税務的な観点からも注意が必要です。相続税を計算する際、非上場株式も評価額を計算し、預貯金や不動産などの他の財産の価格と合わせた金額を算出する必要があります。
『我が家は財産があまりないので、相続税はかからない』と思っていたものの、後々保有していたことが分かった非上場株式の評価額が高く、相続税を納付しなければならない、ということもあり得ます。
「ご親族が会社を経営していた」「昔友達の会社に出資したことがある」など心当たりがある方は、一度、非上場株式をお持ちでないか、確認されることをお勧めします。
遺言や相続の手続きが変わります(3)~配偶者居住権②
新設された配偶者居住権は、どんな使い方が考えられるのか考えてみましょう。
夫が先に死亡した場合、夫婦の生活拠点であった住宅に妻が継続して居住を希望するケースでは「妻が住宅を相続する」方法が一般的です。この場合の「妻が住宅を相続する」は、法的には「住宅の「所有権」を取得する」という意味です。
このように、住宅の「所有権」を相続した妻には、配偶者居住権は発生しません。自分の建物に別途居住権を生じさせる必要がないからですね。
一方、高齢の妻に不動産を相続させることが管理をしていく上で不都合を来すような事情がある場合や、妻の相続の際に相続登記をしたくない等の理由で、直接子供に相続させるケースも少なくありません。この場合、住宅を相続した子供が、母親に対し住宅を無償貸与することになりますね。
しかし、ここで「私の名義にしておかないとそのうち追い出されるんじゃないか?」という妻の疑念が生まれます。実際、この手の不安はよく耳にします。
こんなケースは、配偶者居住権が活用できる典型例でしょう。住宅の維持管理の都合上、所有権は子供が相続するが、妻は配偶者居住権を取得することにより「死ぬまで無償で居住できる」権利を手にすることができますね。
ちなみに、配偶者居住権も登記記録に公示されます。したがって「妻に居住権がある住宅」という情報は、登記情報によって第三者に対しても明らかになるのです。
また、次のようなケースでも、配偶者居住権の活用が考えられます。たとえば、夫に先立たれた妻に軽度の認知症が発症しており、家庭裁判所から、遺産分割協議についての代理権を付与された保佐人が選任されているというようなケースを想定してください。
このような場合、妻に代わって保佐人が、他の総則人との間で遺産分割協議をすることになりますが、被保佐人である妻の財産の維持管理を責務とする保佐人は、妻の法定相続分に相当する遺産を確保する義務が生じます。
このようなケースでは、住宅の所有権を相続するよりも、配偶者居住権を取得する方が妥当な場合が多そうです。なぜなら、所有権を取得した場合に住宅の修繕等が必要になった場合、その費用は居住者である妻ではなく建物の所有権を相続した子供が負担するうえ、住宅の使用料も無償であることとから、被保佐人の財産を管理すべき保佐人としては無用な支出を抑えることが可能となります。
また、所有権を相続するよりも配偶者居住権を取得したほうが資産的価値は低いです。そうすると、法定相続分を確保するためにさらに現預金を相続することができるため、老後の生計維持費の確保にも資することになるからです。
ほかにも、いろいろなアイディアが湧いてきそうです。施行までにあれこれと考えてみたいと思います。 (中里)
自筆証書遺言のルールが変わりますが・・
ご存知のとおり、40年ぶりに相続法が改正され、来年から順次、施行されます。
まずは、全文の自書を要求している現行の自筆証書遺言の方式が緩和され,自筆証書遺言に添付する財産目録については自書でなくてもよいとされます。(財産目録の各頁に署名押印することを要することに注意してください。)
ということで、法務省のHPにもわかりやすい資料がありますので、見ていただきたいのですが・・・、あれ?、下の図で気になる部分が・・。
皆さんは、お分かりになりますか?
そうです。
遺言書例の日付が「平成29年1月5日」となっていますが、このルールが適用となるのは、
「平成30年1月13日」からです。
つまり、新たなルールで自筆証書遺言を作成できるのは、それ以降になります。
私としては、法務省のこの図は訂正しておいた方がいいと思うのですが・・。
施行日に関しては、ご注意ください。
あと、図を見ていて気付いた実際に書かれるときのご提案です。
図の例で「法務花子」とありますが、同姓同名の方と区別するために、例えば「長女法務花子(住所:〇〇県〇〇市〇〇町〇〇番地、平成〇年〇月〇日生)」と特定することをお勧めいたします。(名波)
「自筆証書遺言に関する見直し」(法務省)
相続登記について(6)
まず、遺産分割協議の「意義」ですが、
相続には被相続人の遺産についての相続人の「潜在的持ち分の払い戻し」という側面があります。
相続人は遺産分割協議のなかで法定相続分を超える財産を取得したり、事実上の放棄をおこなったりすることができます。
家督相続制度、つまり、法律で定められた特定の一人が遺産を承継する制度は戦後廃止されています。
このため、相続人が話し合うことで遺産を分割することは、本来、公平に潜在的持ち分の払い戻しするという意義から重要な協議といえます。
(本木敦)
信託の基礎
次は分別管理義務です。
分別管理が必要な理由は、信託財産の特定性の確保です。繰り返しますが、信託財産の所有者は受託者です。その受託者は固有財産も所有しています。信託財産の債権者は固有財産を責任財産とすることができました。しかし、固有財産の債権者は信託財産に対して、強制執行等はできなかったわけです。
しかし、固有財産の債権者が、間違って信託財産に強制執行をしてしまう可能性もあるわけです。その場合、受託者又は受益者は「それは信託財産だ」と異議を述べることができますが、信託財産であることを証明しなければなりません。このとき、信託財産が分別管理されていれば証明が容易になります。だから受託者に分別管理義務を課しているということです。
分別管理の方法は、不動産や自動車であれば「登記または登録をする方法」となります。一般の動産は「外形上区別することができる状態で保管する方法」です。債権や金銭は「計算方法を明らかにする方法」となっています。(小出)
koba紀行#79 ソウル①
このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。
第79回目はkoba紀行海外編第1弾、ソウル①
2018年11月、こば紀行は遂に海外に進出、グローバル化社会に対応すべくこば紀行も日々進化する。浜松からセントレア(中部国際空港)まで高速バスで約2時間半、空港待ち2時間、その後韓国仁川空港まで1時間半、ギリギリ日帰り圏内だ。焼肉食って、キムチ食べて、買い物するだけなら日帰りでも行けなくもない。そして、それで十分な気がしなくもない。今回のシリーズでは、私が体験したこのソウルの魅力を余すことなくご紹介したい。
仁川国際空港を降りてからはバスでソウル市内まで約1時間半、市街地の交通渋滞は日本のそれよりもすさまじく、割り込み幅寄せは当たり前、公共交通機関であるはずのバスでさえ、常にパッシングやクラクションを鳴らしまくっている。日本の巷で騒がれている「あおり運転」レベルのことをバスの運転手が行っていることに驚愕した。ただ、目的地に辿り着くまでのちょっとしたアトラクションだと思えば、このバスの乗り心地もさほど悪くはない。
ホテルにチェックイン後、早速焼肉を食しに街に出かける。ソウルの繁華街らしき場所には日本人観光客、特に女性同士の観光客が多い。看板や店内のメニューは基本、ハングル文字での表記であるが、想像していたよりは日本語表記が多い。韓国の通貨単位はウォンであり、1円→10ウォンというように、表記されている金額から0を1個取れば日本円での金額となるため計算はしやすい。そして、物価相場もだいたい日本と同じレベルの印象だ。グループで連れ立っていけば、いざ両替を切らしていても、仲間同士での清算が楽にできるというメリットはある。
最初に入った焼肉屋のメニューは右のとおりで、案外選べる種類は少ない。そして、1番気になったのは、鉄板が地元の某人気ハンバーグチェーンのものに似ていること。焼肉屋は全部で2軒ほどまわったが、そのいずれでもキムチやナムル、サンチェらしきものはオーダーしなくても勝手についてくる。そして、キムチは鉄板で肉と一緒に焼くものらしく、このキムチ自体は少し酸味が強いが、それなりに美味しい。肉もスタッフが焼いてくれて、食べやすい大きさにハサミでカットしてくれる。こうした現地の雰囲気と、無愛想な韓国人のオッサンの接客により、なんとなく本格感が増す。ただ、冷静に味だけを評価するならば、日本での韓国料理のレベルが高すぎるのか、そんなに変わらない気がしなくもない。あくまで私見である。(つづく)