依頼者のために

先日、相続人から登記のご依頼をいただきました。

 

遺言書がありましたので、遺言書に記載されている通りに登記を行いました。

その後、相続税に関するお話がありましたが、税に関する相談を司法書士は法律によってお受けすることはできませんので、ご近所話程度の会話でお付き合いしていました。

 

不動産はご自宅だけなのですが自宅の敷地が割と広く、金融資産もそこそこありました。相続税は基礎控除額というものがあって、比較的資産が裕福な方を対象として課税されます。反対に資産を所有していない方は相続税の対象ではないため、そのような方々は、相続が発生しても相続税を申告しない場合が多く、実務上も問題ないケースがほとんどです。

 

しかし、この方の話を伺っていると非常に微妙なラインではないかと思えてきました。もし、この方が相続税の対象であるにもかかわらず申告をしなかった場合、「無申告加算税」ほか、様々なペナルティが課されて大きな痛手となってしまいます。逆に申告をすれば、様々な減税制度(例えば、「小規模宅地等の特例」)の利用ができます。

 

私は「念のため、税理士の先生にいろいろご相談された方がよろしいですよ。」と勧めました。

 

しばらくして、事務所に来られたのでご用件を伺うと、先日、税理士の先生から、相続税の申告をしなければいけないケースだったらしく、そのお礼を述べにわざわざ来てくださったようです。

 

専門家として依頼された仕事をこなすだけでなく、周辺にも気を配ることが本当の意味で依頼者のための仕事と実感した出来事でした。(小出)

 

こば紀行#34 甲子園球場

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第34回目は、甲子園球場

高校野球は毎年ではないが、時々甲子園まで観戦に行く。栄冠を掛け、負けたら後がない1度きりの勝負に、全力で臨む姿勢と、それを全力で応援するあの雰囲気が好きだからだ。

最初に訪れたのは2004年夏、ダルビッシュ擁する東北高校戦。当時からダルビッシュ人気は絶大で、追っかけの女性ファンもできるほど…他の試合と比べ、球場は異様な雰囲気に包まれていた。最も私はダルビッシュ本人よりも、2番手で登場する黒縁メガネの真壁投手を応援していた。スター級の人気と実力を持つ、イケメンエースのあとに登場するメガネの2番手。色んな意味でのプレッシャーの中、地味な風貌と堅実なプレイスタイルに魅了された。しかし、当時、私が甲子園まで観戦に行くことを話すと、周囲からは「あいつはダルビッシュの追っかけのおっかけだ!」と揶揄された。確かに、はずれではない。

2006年夏、この年の注目は何と言っても、早稲田実業斎藤佑樹。後にチームメイトとなる大阪桐蔭中田翔との対戦や、最早伝説と化した、田中将大率いる駒大苫小牧との決勝引き分け再試合等、いずれの場にも居合わせることはできなかった。しかし、「ハンカチ王子」フィーバーで人気・実力共に絶頂期の佑ちゃんの姿を生で見られたことは、何となく誇りである。ちなみに、同じ時期、ゴルフ界で躍進し始めた石川遼の呼び名は「ハニカミ王子」。そして、当時、職場での私の呼び名は「ハレンチ王子」…確かに、はずれではない。

さて、今年。訪れたのは大会第11日目、3回戦。花咲徳栄、広陵、聖光学院等、強豪校ばかりの好カードが揃う中、第4試合大阪桐蔭-仙台育英の名勝負を三塁側(仙台育英側)スタンドで目にする。息の詰まるような投手戦、1点を追う仙台育英、ドラマは9回裏に起きた。あっさりと2アウトを取られ、仙台応援席でさえ諦めムードが漂う。しかし、5番バッターがセンター前ヒット、すぐさま盗塁を決め、歓喜に沸くスタンド。続く6番はフォアボールで、2アウト1.2塁。そして、7番、初球をバットに捉えるもあえなくショートゴロ。「あぁ…」ため息とも悲鳴にも似た歓声が飛ぶ中、バッター懸命のヘッドスライディング、だが、明らかにボールの方が早い。試合終了、ナイスゲームと拍手しかけたその時、球場全体がどよめく。三塁側からでは何が起きたか分からない。が、スコアボードに目を遣るとエラーの表示!一塁手の足がベースを踏んでおらず、セーフの判定。万事休すから一転、満塁逆転のチャンス。三塁スタンドは観客総立ちで、大歓声と共に手にした手拭いを振り回す。そして、続く8番の逆転サヨナラ弾!!高校野球の醍醐味が詰まった様な試合。「野球は9回2アウトから」「甲子園には魔物がいる」ありきたりの言葉だが…確かに、はずれではない。(こばやし)

遺言書の見直しをしてますか?

本日、おばあ様の相続について、相談者の方(Aさん)がお見えになりました。

 

聞けば、Aさんのおばあ様は、遺言書で、

『甲(Aさんのお母様)に預貯金を相続する』とされたそうです。

 

しかし、おばあ様より先にお母様が亡くなられ、そのまま遺言書を訂正することなくおばあ様が亡くなったそうです。

 

この場合、お母様の相続人であるAさんは、おばあ様の預貯金を相続することができるのでしょうか?

 

 

結論から申し上げますと、相続することはできません。

おばあ様より先にお母様が亡くなられている場合、遺言書の『甲(Aさんのお母様)に預貯金を相続する』のところは無効とされます。

 

この場合は、預貯金については遺言書がないものとして、他の相続人と話し合っていただく必要があります。

 

このように、遺言書を書かれてからも、財産内容や残したい方に色々と変更が生じる場合があります。

 

書きっぱなしにするのではなく、何年かに一度見直してみることをお勧めします。

新人さんは、民事信託に興味あり?

今年度から、司法書士会の支部長を務めさせていただいています。

新人さんが司法書士登録をすると私の事務所を訪れてくれますので、「どんな仕事をやっていきたいですか?」とお聞きすることにしています。

新人さんの間では、民事信託に興味がある方が増えているとのこと。

民事信託の勉強を続けている私にとってはうれしい報告だったのですが、一方で、民事信託の実務が未だ固まっていない状況でのリスク等についてどれほど理解がされているかが少し心配になりました。

民事信託の実務では、最新の情報収集、切磋琢磨する勉強仲間やチームの存在がとても大切であることをお伝えしました。

もちろん、勉強会の宣伝も兼ねて。(名波)

 

立尾征男さんのヨット単独無寄港世界一周成功に思う

平成28年6月,「夢だけは年をとらない」と言って,当時74歳だった立尾さんがヨット単独無寄港世界一周へ出発した。1年前,ものすごい夢をお持ちの方がいるなと思っていたが,平成29年7月2日,立尾さんが成功したとの記事を見つけた。立尾さんは静岡市駿河区在住。

「ソロモン諸島でサメの体当たりを受け、船尾の自動操舵(そうだ)装置が壊れた。風の厳しい西回りはあきらめた」。普段陸のうえで生活している私にとって全くイメージがわかないが,ただものすごいサバイバルであったのではないか,それだけは分かった。

と同時に,同じ男として,このサバイバルに強くあこがれたのも事実だ。同じことをやろうとは思わないが,その精神,哲学は学びたい。

 

台風

私は浜松市浜北区で事務所を構えております。昨日は、掛川で依頼者にお会いする約束があったので、自動車でご自宅に向かいました。その後、静岡で「総合相談センターしずおか」の相談員としての仕事が14時から17時まで入っていましたので、そのまま向かいました。相談員の仕事が終わる頃、曇り空でしたが雨が降っている様子はなかったので「台風はあまり影響しないようだな」と思い、運転を始めるといきなりのドシャ降り!

 

台風の中を運転した経験など記憶にありませんでしたから、慎重に運転をしました。まず、雨の影響で前が非常に見えづらかったです。それと、道路に水の膜を張られたような感覚で「スリップするのでは」という怖さを抱きました。必然、車間距離を置いて走行することになりました。

 

本日、ブログを更新できているのも無事帰ってこられたおかげですが、悪天候の際、不要不急の外出は控えようと思いました。(小出)

こば紀行#33 敦賀シンボルロード

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第33回目は敦賀シンボルロード

夏休み、青春18切符の季節です。同切符は1日2,400円程度で鈍行列車が乗り放題となるため、例年この切符の発売時期になると無駄に電車に乗りまくってます。そして今回、行き着いた先は敦賀駅、浜松駅から鈍行でおよそ4時間半程です。敦賀駅を降りると駅前広場に、「銀河鉄道999」の星野鉄郎とメーテル像があります。以降、商店街の歩道沿いに一定間隔毎に「銀河鉄道999」ゆかりのキャラクター像が計16体設置されていて、それは1.2㎞先の氣比神宮まで続きます。敦賀は全国有数の鉄道と港のまちということで、平成11年、敦賀港開港100周年を記念して設置されたもののようです。ちなみに、道路反対側には「宇宙戦艦ヤマト」ゆかりの像があります。

このキャラクター像は999の物語に沿って配置されているので、商店街を歩きながらストーリーを追うことができます。歩く毎に当時テレビで観た光景が思い出と共に蘇ります。左写真は、冥王星でメーテルが氷の地面に跪き、氷中に眠る過去の自分の体?を見て涙するシーンを再現したもの。敵とみなせばムチを振り回す、ドSな女王様メーテルのこの姿に、小学生こばやしはギャップ萌えしました。その他、強烈に印象に残っているのが、空飛ぶ猫の親子フライングクロの話や、ラーメン店を営む恋人の反対を振り切り機械の体を手に入れたと思ったらそれが雪女で、最後は元恋人の作ったラーメンを食べて溶けて死んでしまう話…なのですが、残念ながら映画版のストーリーのようでこれらの像はありませんでした。

氣比神宮まで行くと、道路反対側に「つけ鴨うどん」なる看板が見えます。「鴨錦」という大阪を中心に展開するチェーン店で、鴨のつけ汁が共通で、麺はうどんかそばを選べます。うどんはさらに、細めん、きしめん、笹うどんがあります。うどんと鴨汁の相性がこんなに良いとは思いませんでした。さらに港方面へ歩くと金ヶ崎城や天筒山城(いずれも山の中の公園、この時期のハイキングは正直辛い)、敦賀城(石碑のみ、苦労して探したのにこれだけかよという感じ)等がありますが、このあたりの歴史的背景についてはマニアな読者がコメントを付けてくれると思うのでそちらに譲ります。

以上、「銀河鉄道999」を語りたいだけの回でした。(こばやし)

 

 

未成年者への贈与

不動産の名義変更にはお金がかかります。

本人⇒子⇒孫へ名義変更する場合、

本人⇒子で1回、子⇒孫で1回、合計2回登記費用がかかります。

 

近年、相続税の非課税枠が減少したことにより、

相続税対策として、不動産の名義を事前にお子さんやお孫さんに贈与する方が増えております。

 

今回ご相談があったケースも正にそのケースでした。

本人(祖父)が所有している土地を未成年の孫に贈与していました。

理由は、『相続税対策』『子に贈与するより、孫に贈与したほうが登記が一回で済み、費用が安いから』というものでした。

 

しかし、本当にそうでしょうか?

 

 

実は、未成年者へ不動産を贈与した場合、

・住宅ローンを借りてその不動産の上に家を建てたい(その不動産を抵当に入れたい)

・アパートローンを借りてその不動産の上にアパートを建てたい(その不動産を抵当に入れたい)

となった場合、家庭裁判所での手続きが必要になります。

 

しかも、家庭裁判所では『その家(アパート)を建てることが未成年者にとって必要かどうか』が問われますので、

手続きをすればどんな内容でも必ず許可される、というものではありません。

 

安易に未成年者に贈与したものの、その後手続きに苦労した、という方が案外いらっしゃいます。

 

贈与する場合には、税金面や手数料だけではなく、

今後のライフプランをよく検討したうえで実施されることをお勧めします。

 

 

 

信託財産の債務は、債務控除の対象になる?

相続が発生した場合、プラス財産も相続しますが負債のようなマイナス財産も相続することはご承知のとおりです。そして相続税について検討する場合には、プラス財産からマイナス財産を控除します。それを「債務控除」といいます。

民事信託でも、相続時に債務控除はされるのでしょうか。

例えば、金融機関から信託財産へ融資が行われた場合、委託者兼受益者が他界したときに、その負債はプラス財産から控除されるか、という問題です。

現状の金融機関の実務では、信託財産への融資はほぼ行われていないと言ってもいいと思います。そうした中で、個別の案件では、いくつか債務控除が行われたという情報はあるのですが、税務当局の正式な見解はでていないというのが現状のようです。

特に金融機関のローンが絡む収益物件等の信託の場合には注意が必要となります。

(名波)

孤独な時間

朝日新聞の折々のことば(7月28日)より。

「潰れない選手、伸びる選手には、共通点がある。……それは、孤独な時間をきちんと過ごせることだ」

私は高校のとき陸上競技部に所属していたが,チームメイトには高校総体で優勝を狙えるような一流選手がいた。

こういう視点で,チームメイトのことを考えたことはなかったが,思い返してみれば一流と言われたチームメイトは一人でいる時間を過ごすのが格段にうまかった。

アップのやり方,スタートの号砲が鳴る直前の過ごし方,完全に一人の,孤独な時間を上手に使っていたと思う。

孤独と向き合う。年齢を重ねても,その時間は常にある。