遺産分割のやり直し(2)

(前回の話)

遺産分割のやり直し(1)

前回お話した税の問題に加えて、長男が遺産分割の合意解除に同意しない場合、他の相続人は長男の約束違反(これを「債務不履行」と言います)があることを理由として遺産分割協議を一方的に解除できるのか?という問題もあります。

この問題について最高裁は、債務不履行による解除を認めると、法的安定性が著しく害されることから、債務不履行を理由に遺産分割を解除することはできないと判断しています。

つまり、共同相続人の全員の「合意」による解除でない限り、「一方的」に解除を通告して遺産分割のやり直しを行うことはできないということです。

このように、長男が遺産分割の合意解除に同意しない限り、遺産分割の効力を覆すことはできないという問題があることが分かります。

老親において扶養・介護の問題を抱えている場合、扶養・介護と遺産分割は別問題だと認識し、遺産分割協議とは別個に扶養・介護に要する費用について協議することが大事かと思われます。(小出)

 

 

こば紀行#36 紀伊大島

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第36回目は紀伊大島

紀伊半島の先端、潮岬は本州最南端の地です。台風シーズンになるとたまに耳にする地名でしょう。紀伊大島はその潮岬の東側にある島です。今回は18切符の消化試合だったんで、浜松から鈍行で約9時間、JR紀勢本線串本駅が最寄りです。串本駅の観光案内所にレンタサイクルがあります。電動自転車を3時間1,500円で貸してくれます。電動アシスト自転車には初めて乗りましたが、なるほど、潮岬と紀伊大島を回ろうと思うと道中の起伏が激しく、人力では死にます。その昔、紀伊大島へはフェリーや巡航船でなければ行けませんでした。それが、1999年に潮岬との間に橋が架かったことで陸続きとなりました。この橋はループ橋とアーチ橋の2つからなり、スイフトハイブリッドのCMの舞台にもなりました。ただし、自転車ではスイフトのように爽快には走れません。ちなみに自転車で潮岬と紀伊大島両方を回るとギリギリ3時間です。

伊大島はトルコとの友好のシンボルとして知られています。1890年、オスマン皇帝の特使を乗せて日本に派遣されたエルトゥールル号が帰国の際にこの付近で座礁、犠牲者587名の大惨事の中、地元住民が生存者救出のために全力を尽くしたことで日本とトルコとの友好関係が始まりました。島の東端、樫野崎にはそれを記念してトルコ記念館が建てられ、付近ではトルコアイスやトルコランプ作り体験等が楽しめます。樫野崎の南方には海金剛と呼ばれる断崖絶壁があります(左写真)。マグマからできた岩が太平洋の荒波に削られ、ピラミッド型やドーム型のような形になったそうです。人間も人生という荒波に揉まれるうちに、ツンツン尖ったり丸くなったり…同じ削られるなら人を癒やす形になりたいものだ。展望台から見えるこの景観に、ふとそんなことを思いました。

目的地は紀伊大島でしたが、紀伊半島を1周したんで和歌山ラーメンを2杯ほど。和歌山ラーメンは1990年代後半頃ブームとなり一時はカップラーメンが発売される程の勢いで、ご当地ラーメンの火付け役にもなりました。左は和歌山市内の元祖?「井出商店」、右は新宮市で弟子がやってる「速水」。感想:基本一緒。インスタ映えするのは左だけど、味は弟子が師匠をやや超えたか…(こばやし)

相続税について

本日、Aさんの遺産相続につき、Aさんの奥様と税理士の先生と合同で打ち合わせをしました。

 

実は、Aさんは亡くなる直前にBさんの遺産を相続しており、

Aさん、Bさんとも多額の資産をお持ちであったので、

Aさんの奥様は、Aさんの相続税とBさんの相続税を支払う必要がある、とのことでした。

 

相続税の申告は、被相続人の死亡から10か月以内とされておりますが、

Bさんの相続人であるAさんが突然亡くなったため、Bさんの相続手続きができないまま

Aさんの相続となり、Bさんの相続税の申告については10か月を超えてしまったそうです。

 

今回Bさんの相続税申告はするものの、後日『延滞税』『無申告加算税』なるペナルティが課せられるそうで、

Aさんの奥様の場合、数十万円が課せられるだろう、とのことでした。

 

税金については一般的な知識しか持ち合わせておりませんが、他士業の方の話を聞くと学ぶことが多いです。

 

非課税枠が縮小され、相続税の対象となる方が多くなりましたが、

安易に『申告しなくても多分大丈夫』とするのではなく、きちんと専門家に見てもらうようにお薦めしたいと思います。

 

経営者のための事業承継マニュアル

商工会議所の報告によると、最近、徐々に事業承継の相談が顕在化しつつあるようです。

中小企業庁では、中小企業の経営者のために様々な情報を発信しています。

「経営者のための事業承継マニュアル」も↓このリンク↓からダウンロードできます。

http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2017/170410shoukei.pdf

民事信託の活用の記載もありました!

経営者にとっても選択肢が増えることはいいことですね。(ななみ)

山登りに行ってきます

今度の週末,山登りに行ってきたいと思います。

思えば,この夏,何も休むことができませんでした。

遅ればせながら夏休みっぽいことをしようと思います。

もっとも,普通の土日で行きますから夏休みという訳ではないのですが。

それでも,気分転換をしてきたいと思います。

また報告します(本木)

遺産分割のやり直し(1)

相続人の高齢化に伴い、老親の扶養・介護の問題を絡めて遺産分割を行う例が見受けられます。具体的には、長男など特定の相続人が、老親の面倒をみることを理由として他の相続人より取得額を多くすること等です。

この場合、老親自身も、長男が面倒を見てくれるなら自分は何も相続しなくてもよい等と述べることがあります。長男への遠慮からそのように述べざるを得ない場合もあるのでしょうが、将来、長男が老親の扶養をおろそかにする可能性もないわけではありません。

このように、長男が母の面倒を見ることを条件として、他の相続人より多く遺産を取得させたにもかかわらず、長男がその約束を反故にした場合、他の相続人としては遺産分割をやり直したいと考えるでしょう。

では、遺産分割をやり直すことはできるのでしょうか?この点については、相続人の全員の同意があれば、あらためて遺産分割を行うことができると最高裁は明言しています。法律用語を交えますと、いったん成立した遺産分割を合意解除することができるということです。しかし、税務ではこの合意解除に注意が必要です。遺産分割のやり直しは、税法上の遺産分割には該当せず、贈与と認定され、贈与税が課されるおそれがあります。(続く)(小出)

こば紀行#35 城崎温泉

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第35回目は城崎温泉

城崎温泉は平安時代頃からある温泉で、1300年の歴史をもつのだそう。江戸時代の温泉番付では西日本において有馬温泉に次ぐランク付けがされ、また、幕末には新撰組に追われた桂小五郎が逃げ込んだ地とも言われている。明治以後も「城の崎にて」を記した志賀直哉ほか、有島武郎、島崎藤村など多数の文豪が来訪し、その名は歴史と共に全国に知られることとなる。

しかし、21世紀においてこの温泉を圧倒的に世に知らしめたのは紛れもなくあの元県議であろう。政務活動費で足繁く通うこと106回…さほど交通の便も良くないこの地にそこまで通い詰めるとは、余程、「男」ののちゃんを熱くさせる何かがあるに違いない。そう、ピンクな何かが…そんな思いに駆られ、鈍行列車で約9時間半、はるばる城崎温泉までやって来た。(実は甲子園帰り)

駅を降りるとすぐ浴衣姿の駅員さんが迎えてくれる、しかも女性だ。コスプレな予感がする。駅舎も比較的新しく、小綺麗な印象だ。温泉街としては比較的コンパクトな方で、大谿川沿いにある7つの外湯めぐりを楽しむのが王道の楽しみ方であろう。最初の湯場で「ゆめぱ」という1日外湯入り放題の券を1200円で購入できる。町外れにはロープウェイもあり、ちょっと上から目線で温泉街を眺めたいならオススメだ。食事は但馬牛や日本海の海の幸が名物らしく、その手の看板をよく目にする。何でも冬場のカニは最高なのだとか…(あらたま先生談)。写真は三國のステーキ丼

ビックリするのが他の温泉街に比べ、小洒落たカフェ、休憩処が多いこと。客層も10代、20代の若者、カップルが多く、正直、おっさんの一人歩きがはばかられるレベルだ。特に木屋町小路と呼ばれる店舗群は、他の温泉街には見られないセンスがある。ふと、その一角に「耳かきサプリ」なるものを見つけた。新手の耳かきカフェか?と一瞬ピンクな連想をしたが、おそらくは妄想であろう。歴史ある温泉と古い町並みを残しつつ、新しいセンスを随所に散りばめたこの温泉街は、ののちゃんが泣き叫ばずとも発展を続けるに違いない。(こばやし)

 

 

見知らぬ相続人が登場!そのときどう対応しますか?

相続の仕事をしていると、年何回は

『知らない相続人が出てきたんだけど、どうしよう』

という相談をいただきます。

 

ご家族の方でも、故人の戸籍を見たことがある方は少なく、

実は、再婚だった、他に子供がいた、養子縁組をしていたということがあります。

 

見知らぬ相続人が登場するのは、そんなに珍しいことではありません。

 

問題は、その『見知らぬ相続人』と遺産相続の話し合いをしなければならない、ということです。

 

どこの誰かも、どんな人なのかもわからない人と、

いきなりお金の話をするのはとても気が重いと思います。

ただでさえ、故人の過去を死後突然知ることになって戸惑っているのに、

相手から何を要求されるのか分からない不安を抱えながら相手と交渉しなければなりません。

 

見知らぬ相続人との交渉のやり方で、よく依頼者の方が言うのは、

相続人に対し手紙を送って、ハンコついて返信するよう要求したい、というものです。

 

正直、このやり方はお薦めできません。

 

相手方が怒り、かえって話がこじれることが多いです。

 

相手方からすれば、突然手紙が来てかなり戸惑います。

故人のこと、遺産の内容、手紙を送ってきた方(依頼者)の状況など、知りたいことだらけですし、

気持ちが落ち着くまで時間がかかります。

 

それなのに突然手紙を送りつけてきてハンコを押せ、と言われると、

『絶対協力したくない』気持ちになる方が多いです。

そして、一度こじれてしまうと、その後和解するのは困難です。

 

・丁寧に

・遠慮がちに

・正直に

上記3点を心がけていただき、ゆっくり信頼関係を築くようにしていただくといいと思います。

 

 

 

 

 

民事信託は、証券会社の口座でも活用できるか?

先日、民事信託に関するご相談がありました。
証券会社の口座にある株式を民事信託を活用して子供に託すことができるか?という内容でした。

残念ながら、実務では、ほぼすべての証券会社が対応していないのが現状です。

今後、民事信託に対応してくれる証券会社の登場を待つばかりです。

今回は、残念な回答にはなってしまいましたが、「民事信託」の相談が少しずつですが増えてきている感じがします。(名波)

一輪車

本木敦です。

この夏,私は仕事に追われていましたが,皆様は如何お過ごしでしたでしょうか。

この夏,娘が一輪車に乗れるようになりたいと言い出したものですから,私は娘と毎日少しずつ練習をしました。

最初,暑さもあり,娘は機嫌が悪くなかなか前向きになりませんでしたが,YouTubeなどの動画を一緒に見るなどして方法を確認していました。

一輪車は補助があったとしても,初めてですと乗ることすらままなりません。また,補助があっても前に進むことは難しいです。

そんなところから始めたのですが,少しずつ補助があれば前に進むことができるようになりました。次第に,補助があれば転ぶこともなくなっていきました。

そうすると,娘もだんだん楽しくなり,それまでは一日10分くらいしか練習しませんでしたが,最後になると1時間くらい練習するようになりました。

途中で,娘は目標として16メートルを補助なしで進むことを決めました。それからも毎日練習しました。

そして,3メートル,6メートルと補助なしの距離が伸びていき,ある日,16メートルを達成。

父親としては,暑さで怒っていたころから,だんだん乗れるようになっていく過程が走馬燈のように呼び起こされました。

一夏の子どもの成長にただただ感動しました。