このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。
第77回目は浜名湖チャリ走③~奥浜名湖編
前回までのあらすじ~ 4年前の9月、こばやしと3名の仲間達はチャリで浜名湖を1周する冒険に出た。どこか真夏の面影を残しつつも優しく照らす日差しと、さわやかな空気、青く澄み渡る湖面を眺めながら、浜名湖東岸をチャリで走り抜けた。そして、問題の難所にさしかかった。
遊園地パルパル、浜松動物園を過ぎたあたりから緩やかな上り坂にさしかかる。それまでのサイクリングロードから一変、普通の県道の、ただの上り坂がひたすら続く。ロードバイクならともかく、ママチャリに乗ったまま漕ぎ続けるなど到底不可能で、必然、降りて山を越えることとなる。距離にして1.2キロ、上り坂の上、チャリを引いて歩くとなると時間にして30分はかかる。9月といえど、この時ばかりは日差しが強烈に僕らを照りつけ、汗を拭いながらひたすら上る。当然、会話などはない。この山越えが仲間達の心を折った。
山を越えると奥浜名湖、気賀の街並みが現れる。観光案内を兼ねてることもあり、ベタなところだが、鰻の名店「清水屋」で昼食を取った。およそ1時間待った後、待望の鰻重が登場!しかし、一同どこかテンションは上がらない。その理由は無論、あの山越えのダメージによるものだ。食後、4人の間で会談が開かれる。議題はもちろん、「浜名湖チャリ1周計画」の続行か断念か。4人の内訳はゆとり世代(1986年生)の2人とオイルショック世代(1974年生)のこばやし、その中間のおしん世代(1983年生)のもう1人。意見は割れた。断念、引き返しを主張するゆとりの2人と、計画続行を主張する強行派のこばやし、そして、沈黙を続けるもう1人…この計画の立案者であるこばやしとしてはここで引き返すなどもってのほかで、むしろここからの道のりがこの計画の真
骨頂だと訴えた。
しかし、「疲れた疲れた」と駄々をこねるゆとり達には何も響かない。駄々っ子達の意見には抗えず、結局鰻屋を出て、来た道を引き返すこととなった。無念だ…浜名湖を照らす午後の日差しがどこか切ない。と、思っていたのは私だけで、他の3名はそうでもないようだ→。こんなポーズとる体力が残ってるなら1周できただろ!! まあいい、いずれにせよ少なくとも私にとってはかけがいのない思い出の1ページとなった。(こばやし)

行けるプチ観光スポットをご紹介しています。
通るような青空の下、4人は爽快に自転車を漕ぎ始める。心地よい風を切りながら、左右に湖面を眺め中之島大橋を渡る。進行方向遥か向こうにはパルパルの観覧車が見える。前半の東岸はほんとに自転車道がよく整備されていて、併走して会話もできる上に走っていてとにかく気持ちが良い。仲間達もずいぶんとご満悦の様子だった。村櫛のあたりからは道が湖面のすぐそばを通るため、波の音と潮の香りも感じることができる。が、今振り返ると、我ら一行が1番テンションが高かったのもこのあたりまでだった。
のスポットに辿り着く。ここはその昔、同職の黒いK氏夫妻の思い出の場所だと聞かされていたので、仕方なく立ち寄った。2人の思い出を想像できるほどの想像力もないしその気もないが、良い場所なんだと思う。黒K氏のメモリアルスポットをあとにした一行は、浜松動物園前を通過し、気賀にあるうなぎ屋を目指して進む。が、この直後、仲間達が分裂する引き金となる難所に直面する…(つづく)