相続財産管理人

相続が発生し、相続人がいない場合や、いるかいないか不明の場合、相続人全員が相続放棄をして結果として相続する者がいなくなった場合等は、家庭裁判所は、申立てにより、『相続財産の管理人』を選任します。  『相続財産管理人』は、亡くなった方の財産を調査し、不動産や車等は売却したり、借金がある場合は支払うなどして清算手続きを行います。清算後に財産が残る場合は、基本的にはその財産を国庫に帰属させることになります。

弊所はある方の『相続財産管理人』に就任したのですが、亡くなった方は借金もなく、プラスの資産しかない方でした。たまたまご家族が先に亡くなってしまい、その方のみが残った(相続人がいない)状態となったのですが、相続人がいない状態でも遺言書を遺していれば、遺産を国庫に納めることなく、財産を承継させることができます。

もちろん、ご本人に『この人に遺産を残したい』という希望がなければ仕方がないのですが、相続人ではないけれど近しいご親戚やご友人、面倒を見てくれた人や施設に遺産を残す、という選択も相続人がいない方の選択肢の一つなのではないかと思います。

残される方の立場からしても、相続人がいない方の場合、どのように処理すべきか、どうすればよいのか分からず非常に困惑されることが多いです。特に不動産をお持ちの方が亡くなり相続人がいない場合、管理する人がおらず荒れてしまい、問題になるケースもあります。

弊所が相続財産管理人になった方は不動産もなく、預貯金のみでしたが、かなりまとまった金額をお持ちの方でした。この金額がそのまま国庫に帰属するのかと思うと、なんだか勿体ないような気がしますが、遺言がないので仕方がありません。相続人がいない方は、是非遺言書を作成いただきますようおすすめします。

2020年1月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust