本日、『住宅ローンを完済したから自宅に設定された担保を抹消してほしい』とのご相談をいただきました。
よくある一般的な担保抹消の手続きだと思い、軽い感じでお話を進めてみると、相談者は建物を所有しているものの、自宅の土地の所有者は相談者ではありませんでした。しかも土地の所有者は3年前に亡くなっており、韓国籍とのこと。
この場合、担保を抹消する登記をするためには、まず土地の相続登記を入れる必要があります。
亡くなった方が韓国籍の場合、韓国の法律により相続手続きを進める必要があります。韓国より戸籍を取り寄せ、相続人全員で話し合ってもらい、相談者の土地を誰が相続するか決めてもらった上で、相続登記を入れます。
弊所ではまだ韓国籍の方の相続手続きを受任したことがないため、慌てて韓国の法律を調べてみたところ、日本の法律による相続とは似ているものの、相続人の範囲や法定相続分などに違いがあることが分かりました。
日本では、亡くなった方に配偶者と子供が2人いる場合、法定相続分は配偶者が2分の1、子供が各4分の1となります。
韓国では、配偶者の相続分は子の相続分の1.5倍となるため、配偶者が7分の3、子供が各7分の2となります。
日本では、第4親等(いとこや祖父母の兄弟など)が相続人になることはありませんが、韓国では相続人になるケースもあるようです。
韓国籍の方でも日本に帰化した場合は日本の法律が適用されます。
まだまだ勉強しなくてはならないことが多いなと実感した一日でした。