非上場株式について

相続や遺言の相談を受け資産内容を確認している際、『株式(有価証券)はお持ちですか?』と聞くと、『株はやっていない』『持っていない』という方がいます。

本当に株式を保有していないのであれば全く問題ないのですが、中には実際には株式を持っているのに持っていない、と思っている方がいらっしゃいます。特に非上場株式を保有している方は、保有している自覚がない方が非常に多いです。

株式会社(有限会社を含みます)に出資した方は、その会社の株式を保有します。しかし、最近では株券を発行しない会社の方が一般的であるため、会社の株主名簿には株主として記載されているものの、株主の手元には『株式を保有していることを証明する書類』がありません。

そのため、株主の方が株式を保有していることを忘れてしまっていたり、株主の方が亡くなった際にご家族が故人が株式を保有していたことに気が付かない場合があります。

会社経営者にとって、自分の経営する会社の株式を相続人の誰が相続すのかは会社の今後を左右する非常に重要な事項であり、予め遺言書を作成するなど慎重に対策をしておく必要があります。

また、税務的な観点からも注意が必要です。相続税を計算する際、非上場株式も評価額を計算し、預貯金や不動産などの他の財産の価格と合わせた金額を算出する必要があります。

『我が家は財産があまりないので、相続税はかからない』と思っていたものの、後々保有していたことが分かった非上場株式の評価額が高く、相続税を納付しなければならない、ということもあり得ます。

「ご親族が会社を経営していた」「昔友達の会社に出資したことがある」など心当たりがある方は、一度、非上場株式をお持ちでないか、確認されることをお勧めします。

2018年12月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust