親の建物に子が増築する

親名義の建物に子供が増築した場合、増築部分は建物の所有者(親)の所有物となります。この場合、親が子供に対して対価を支払わないときには、親は子供から増築資金相当額の利益を受けたものとして贈与税が課税されることになります。
しかし、子供が支払った増築資金に相当する建物の持分を親から子供へ移転させて共有とすれば、贈与税は課税されません。

以上がタックスアンサーの記述です。№4557

この登記は年末ころから年始くらいまでよくお話をいただく事例です。

理屈は上記のタックスアンサーのとおりでよいのですが、実際に建物の持分を親から子どもへ移転させて共有にすることは、実はとても難しいです。

増築資金は建築請負契約書から明確ですが、「増築資金に相当する建物の持分」は一体どのように計算するのか、という課題があるからです。それは、建物の価格をどのように計算するのかということと同義ではあります。上記のタックスアンサーでは、建物の価格については書かれていません。時価なのか、簿価なのか、相続税評価なのか、どれを使えばよいのか不明確であり、いつも悩むところです。

私たち司法書士は税の専門家ではないので、ここはどうしても責任のある回答ができません。このようなときは、お客さまと一緒に税務署に行って、お客さまから質問していただき、そこに同席させていただくことが良いと思っています。お客さまも理解いただけますし、司法書士も安心して登記手続を進めることができるからです。(本木敦)

2018年9月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust