受益者の死亡等の信託の終了事由が発生すると、信託は精算が開始することになります。
信託に取り組むを、ついつい信託財産を組成することに目が行ってしまいますが、信託が終了するときのことを考えておくことは、それと同等、もしくはそれ以上に重要になるかもしれません。
例えば、精算受託者は、その職務を終了したときは、遅滞なく、信託事務に関する最終の計算を行い、信託が終了した時における残余財産受益者及び帰属権利者のすべてに対し、その承認を求めなければなりません(信託法184条)。
この規定には、信託法によく登場する「別段の定め」はないので、「その承認を求めること」を別段の定めにより省略することはできません。
適正に精算業務が行われていれば、そんなに問題になることはないと思いますが、受託者は、最後まで気を抜くことはできません。
信託は一度始まると長期に渡ることが通常です。常にゴール(出口)をイメージしながら内容の検討をすることをお勧めいたします。(ななみ)