信託契約は、委託者と受託者との間で、信託目的や信託財産を定めて契約を締結しますが、契約締結後に金銭等を信託財産に追加することを「追加信託」といいます。信託法上の規定はなく、実務上認められている概念とされています。
金銭の追加信託については、実務的にも信託契約書に書かれていることが通常です。金銭の追加信託は特別や書面などは不要で、委託者兼受益者から受託者が管理する受託口座へ振込する形で行われることが多いと思います。ちなみに、金銭の場合には、信託契約書に追加信託に関する条項がなくても追加信託は可能のようです(なるべく書いておくことをお勧めしますが)。
一方、不動産の追加信託については、そもそも追加信託はできないという方がいらっしゃいます。可能という説でも、信託契約と登記が必要とされていますので、それは追加信託ではなくて新たな信託契約と捉えることができるとも思います。いずれにしても不動産の追加信託は、金銭のように気軽にはできないと思っておいた方がいいことは確かなようです。(ななみ)