こば紀行#61 大井川鉄道④~閑蔵駅

 

のコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第60回目は大井川鐵道編第4弾、関の沢展望台~閑蔵

静寂な世界から一変、列車が車輪を軋ませやって来る。鉄橋に差し掛かる、待ち望んだ瞬間、写真では全く伝わらないが、確かに素晴らしい光景だ!一方、列車の中から鉄橋の下を眺めるとその高さがよく分かる。車内では、高さ日本一の関の沢鉄橋と、対岸にあるこの展望台についての説明アナウンスが流れる。列車の中からと外から、両サイドの光景を合わせて見ることができたなら、それはもう立派な井川線マニアだ。

それなりに満足したので次なる目的地、閑蔵駅へと向かう。展望台から来た道を戻り接岨峡温泉から列車に乗るか、このまま歩いて行くか…そういえば、山間パトロールのおっちゃんが言っていた、この先100Mはがけ崩れで行き止まりだと。「絶対に行けないと思わないが、行けるとは言えない。」もの凄く気になる。行ってみたら?まるで自分が試されてるように聞こえた。よし、行ってやろうじゃねーか!足を前に進める。そして…

←絶対無理だろ!!

敗北感に打ちひしがれながら、泣く泣く来た道を戻る。途中、軽自動車に乗ったおっちゃんとすれ違い、この先どこまで行けるか聞かれた。「少なくとも展望台までは行けるよ!その先は自分の目で確かめてくれ」そう教えてあげた。30分掛けて温泉会館付近まで戻ってきたが、次の電車まで1時間以上待つので、回り道でも閑蔵駅まで歩くこととした。さっきすれ違ったおっちゃんが「ありがとな~」と言いながら僕を追い抜いて行く…(乗せてってくれ)トンネルを抜けると接岨峡大橋という大きなアーチ橋が現れる。手前が川根本町、渡った先が静岡市で目的地の閑蔵駅はこの橋の先、静岡市側すぐのところにある。

ここも近隣の民家がほとんど無いことから秘境駅とされている。ただ、バス停もあるため観光客はそれなりに訪れる。駅近くに「やまじゅう」という食事処があり、さっき追い抜いていったおっちゃんが蕎麦を食っていた。つられて私も頼んでしまう。のどかな山間の風景の中、外で食べる蕎麦は最高だ。小鳥のさえずり、蕎麦をすする音…が、ここでは店のおばちゃんのマシンガントークが凄い。まともに話を聞いていたら列車を1本乗り損ねてしまった。まあいいか…このゆったりとした時間は、どこか気持ちを穏やかにさせる。そして、次の列車がやって来た。(つづく)

 

 

2018年5月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust