前回、静岡県司法書士会で設置している「司法書士総合相談センターしずおか」の相談事業について紹介しました。前回、触れられなかった内容についてお話ししたいと思います。
相談件数は概ね横ばいの数字でしたが、内容に少し変化が見られました。相続における「負債の承継」に関する相談について増加の傾向がみられました。特に相続放棄に関する相談が顕著でした。このように、相談された方には、何らかのアドバイスをしたり、緊急等の事情があれば専門家を紹介したりと法的支援を実現することができたと思います。しかし、相談をしていない方が、漠然と相続手続きを進めた結果、莫大な負債を引き継ぐことはないだろうかと少し不安を感じました。特に、判断能力は不十分であるが成年後見制度を利用する程度までではない方の場合、問題が生じる可能性があるのではと思いました。
このような方を、私たちの相談機関につなげるためには、普段接する機会が多い福祉などの関係機関との連携が必要だと考えるに至りました。今後、関係機関との協力体制を築き上げていくために、どのようなことをしていくことが必要かを考えていきたいと思います。(小出)