先日、家庭裁判所から成年後見人に選任されました。これから、判断能力が低下した成年被後見人のために身上監護や財産管理を行っていくことになります。そのために、成年被後見人の財産の引継ぎを行わなければいけません。具体的には、被後見人の財産を管理していた親族から私に対して通帳等を引き渡してもらいことです。
ところが、成年被後見人の親族と私には面識が一切ないのです。成年後見人や親族からすると面識のない私に財産を委ねなければならないわけですから、親族の方から通帳等を引き渡していただいた際には戸惑いの様子が伺えました。
年齢を重ねると、人は身体的にも精神的にも衰えが出てきます。生活をしていくためには、様々な方の助けが必要となります。財産管理も例外ではありません。しかし、自らの財産を委ねることには物凄く大きな勇気が必要であろうと思われます。このようなハードルを下げる方法は、制度に対する社会の信頼が必要だと考えます。
民事信託も同様です。社会から信頼に値する制度にすることが大事だと考えます。(小出)