民事信託は、ある特定の財産を託すことを前提にしています。つまり包括的にすべての財産を託すことはそもそも想定されていません。もちろん、すべての財産を特定して、信託目録に記載すれば理論上は可能ですが、必ず漏れが生じます(農地や未登記物件は対象から外れます)。
一方、相続はすべての財産を包括的に承継します。
ここの違いをしっかりと意識して、財産管理・財産承継の設計をしないと対策の不備な部分ができてしまいます。
民事信託の対象から外れた財産の承継についてもしっかりと考えるのであれば、遺言の活用をお勧めいたします。
民事信託、遺言の双方を公正証書にすれば、公証役場で一括して作成することが可能となります。(ななみ)