シリーズ 信託の“肝”(13)

次に、委託者を受益者としない方法として「相続時精算課税」を活用する方法です。

この制度の詳細は、国税庁の説明に譲ります。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4103.htm

この制度を使えば、一度に2500万円までの資産を贈与しても贈与税がかかりませんので、信託財産の評価額がこの範囲内であれば、委託者を受益者に加える必要はありません。

もっとも、①委託者と受益者の関係が親子、あるいは祖父母と孫のように直系の関係になければならないこと、②相続時精算課税を選択する旨の申告が必要なこと、③この方法で贈与を受けた財産は、委託者が死亡した場合は相続によって取得した財産とみなされ、相続税の課税対象となることなど、注意すべき点が多い制度でもあります。
したがって、ご利用の際には税務の専門家を交えた十分な準備が必要になる点に、ご注意下さい。

(中里)