Q・一人息子には浪費癖があり、手元のお金はすぐに使ってしまいます。収入も決して安定していないので、将来の息子の生活費のためにと貯蓄をしていますが、このままでは、遺産を相続した途端にすべて使い果たしてしまうことは目に見えています。何か対策は取れないでしょうか?

A・このようなケースはしばしば耳にします。まとまったお金を一括して承継させるのではなく、生活費の補てんを目的として毎月一定額を送金できるような準備をしておけるとよいですね。

遺言信託が活用できそうですが、どなたか具体的なスキームをご提示ください。

 

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Q・一人息子には浪費癖があり、手元のお金はすぐに使ってしまいます。収入も決して安定していないので、将来の息子の生活費のためにと貯蓄をしていますが、このままでは、遺産を相続した途端にすべて使い果たしてしまうことは目に見えています。何か対策は取れないでしょうか?」への6件のフィードバック

  1. 遺言信託を活用するのであれば、受益者を息子さんにして、条項の中に毎月一定額を給付する旨を定めればいいですね。ただ、今回のケースですと受託者をどなたにお願いするのかが課題となると思います。一人息子さんなので、他の兄弟に託すということができません。おそらく、ご親戚の方などにお願いすることになると思いますが、ご親戚の方がご高齢の場合には、予備的に受託者を定める必要もでてくると思います。
     そして、今回の目的が息子さんの生活を支えることですので、息子さんが他界した場合には信託を終了させて残余財産の帰属者を定めることになると思います。こういうケースでは、その時の精算受託者を帰属者にすることことが多いと思います。

  2.  浪費家の方には、自分の財産を他人に管理してほしいと積極的に希望している方も少なくないようです。名波さんのご提案がノーマルな方法だと思いますが、もう一つ別の方法として、浪費家を委託者兼受益者として信託を設定することを提案します。
     長期にわたる(と予想される)信託は、適切な契約内容に加えて、委託者、受託者、受益者等の関係人の協力や理解が必要不可欠となります。
     浪費家自らが信託設定に関与すれば、自ら納得した信託ですから、将来において異議等を申し立てることも少ないのではないかと期待するのです。
     ただ、このような信託を設定する場合、浪費家の財産に加え将来手に入れるだろう相続財産を信託財産として記載することを考えなければなりませんが、果たしてこれが可能かどうか検討しなければなりません。仮に可能であったとしても、将来手に入れるだろう相続財産をどのように記載すれば信託財産として特定することができるのかも考えなければなりません。
     そうなると、私の提案を実現するには、かなりハードルの高いものだったのかもしれませんね。

  3. 本事例について信託を活用することを考える場合には,名波さんが既にあげてくださっている方法になるのかなと考えています。

    法律的な提案ではなくて恐縮ですが,この事例のような場合には,息子の浪費癖に至った経緯について,息子と親の言い分の中から何か法律ではない解決策を模索してもよいのかもしれませんね。私達は法律を利用したサービスを提供することになりますが,この事例の場合には必ずしも法律的な,ある意味強権的な手法だけではうまくいかないような気がします。

  4. 社会福祉行議会が行っている日常生活の支援事業を利用することはできないでしょうか?

    要件が合致しないですかね?

    福祉の分野に詳しい方、教えてください!

  5. 地元の社会福祉協議会に問い合わせてみました。
    日常生活自立支援事業の対象となっている方は、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者などで判断能力が不十分な方であって、そこにギャンブルで費消しているような単なる浪費家は対象外とのことです。
    あと、明確なお答えはいただけませんでしたが、高額な預貯金の管理についても問い合わせたところ、審査の対象となって、別の制度(例えば成年後見制度)を勧めているように思われました。

  6. ありがとうございます。

    かつては浪費者の法的行動を制限するための準禁治産という制度がありました。
    準禁治産の対象は、浪費者のほかに「心神耗弱者」がありましたが、この「心神耗弱者」が現在の保佐、補助の制度に移行しています。

    しかし、現行の保佐、補助は、単位「浪費者」であるだけでは利用できません。浪費の原因が認知症や障害等によるものであるとの医師の診断が必要となってくるのです。
    このため、認知症や障害に起因するとは言えない程度の浪費癖は、成年後見制度による保護が受けられないこととなりますので、実務家の中には、信託の活用ができないかとあれこれ試案が重ねられているわけですね。

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