民事信託は遺言とセットで考える

民事信託は、ある特定の財産を託すことを前提にしています。つまり包括的にすべての財産を託すことはそもそも想定されていません。もちろん、すべての財産を特定して、信託目録に記載すれば理論上は可能ですが、必ず漏れが生じます(農地や未登記物件は対象から外れます)。

一方、相続はすべての財産を包括的に承継します。

ここの違いをしっかりと意識して、財産管理・財産承継の設計をしないと対策の不備な部分ができてしまいます。

民事信託の対象から外れた財産の承継についてもしっかりと考えるのであれば、遺言の活用をお勧めいたします。

民事信託、遺言の双方を公正証書にすれば、公証役場で一括して作成することが可能となります。(ななみ)

2018年3月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

建物解体

私が相続財産管理人を拝命している事件があります。

被相続人名義の建物がありますが,建物は老朽化しています。

今般,管轄家庭裁判所の許可を得て,建物を解体することになりました。

建物の解体って普段馴染みのない手続でしたので新鮮でした。

解体業者さんからは,①電柱から建物に伸びている電線の撤去,②プロパンの撤去,③水道の開栓,④浄化槽の清掃をするように指示を受けていましたが,業務でこれらを行うことはないもので,私は当初全く見当が付きませんでした。いろいろな方に教わりながらなんとか段取りしました。あとは解体作業が始まるのを待つだけです。

解体後は見に行きたいと思います。

文責:本木敦

2018年3月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

相談会の御礼

24日(土)は、静岡県司法書士会浜松支部で相続に関する相談会を行いました。最初に90分のセミナーを行い、そこから個別の相談会を実施しましたが、予想を上回る来場者で大盛況でした。

セミナーでは講師を務めさせていただきましたが、140名以上の方々が最後までお聞きになってくださいました。この場を借りて感謝申し上げます。

 

これを機会に相談会を企画できたらと思いますので、その際は、ご来場お待ち申し上げます。(小出)

2018年3月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

こば紀行#55 渥美半島どんぶり街道②

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第55回目は渥美半島どんぶり街道②

皆さんお忘れだろうが、かれこれ1年近く前にこの渥美半島どんぶり街道を紹介した(私も忘れていた)。渥美半島にある道の駅に「どんぶり街道MAP」なるものが置いてあり、そこには36店舗もの地元飲食店が紹介されている。各店舗が大あさり、田原牛、三河ポーク等地元名物を使ったアイデア丼をメニューとして提供し、それをどんぶり街道と称しているものだ。今回はその続編、第2弾である。

今回訪れたのは伊良湖岬の先端、灯台付近の「萬八屋」。ここの「大あさりカリカリ丼」をオーダーした。店内は祝日の午後2時を少し過ぎているにもかかわらず、概ね満席という繁盛ぶりだ。丼自体は大あさりとエビのからあげ、ミニトマトが乗っかっていて、それに天つゆみたいなダシをかけて食べるもので、割と薄味である。これはこれで美味しいのだが、個人的にはフライにしてウスターソースをかけて食べたいかな。みそ汁があさり入りなのはとても嬉しい。

せっかく先端まで来たんで少しのんびりしようと向かったのが伊良湖ビューホテル。よくありがちな伊良湖の写真→あの丘の上にあるのが目的地だ。日帰り温泉1600円はタオル付きでもちょっと高いが、眼下に恋路ヶ浜、太平洋、伊勢湾を見渡せる。さらに、露天風呂に入れば、景色を目で楽しむだけでなく、潮風を肌で感じ、潮騒の音と香りを感じることができる。湯上がりはラウンジで絶景(曇り空であまり伝わらないかも知れないがたぶん絶景)を眺めながら渥美半島みかんジュースを飲む。人生にやや疲れ気味の私の、休日の新しい過ごし方を発見した。(こばやし)

 

2018年3月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

法律と実務の乖離

以前信託契約の締結をお手伝いした方から新たなご相談いただきました。

 

受託者(財産を管理する方)が管理するアパートの修繕費を調達するため、金融機関から借入をすることになったそうです。

それに伴い、信託した不動産に担保を付けることになったので、その手続きをお願いしたい、とのことでした。

 

その方が締結した信託契約には、『受託者が管理のために必要な借入をすることができる』『その場合担保提供できる』旨が記載され、借り入れ、担保設定共に問題ない行為となっています。

 

ところがいざ登記申請したところ、法務局での手続きがいつまでたっても終わりません。

 

申請してから早20日になるのに、それ以降に提出したものがどんどん完了するのに、

その申請だけはなかなか下りてきません。

 

法務局に問い合わせても、何か申請に問題があるわけではなさそうなのですが、

何故か下りてきません。

 

想像ですが、法務局としても、信託財産について取り扱いされた件数が少ないため、

その取扱いについて色々慎重になっているように思います。

 

信託は比較的新しい分野なので、法務局だけではなく、税務署、金融機関等もなかなかスムーズに進みまないことが多いです。

 

とはいっても、せっかく信託したのに『使えない制度』では意味がないので、

何とかならないか、頭を痛めています。

 

 

 

 

2018年3月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

小さく始める。

民事信託の相談が少しずつ増えてはいますが、そうは言っても実際に民事信託の契約書作成に至る方はまだ少数だと思います。

確かに、財産管理は、今後の生活にも関わることですのである意味慎重に検討する必要があると思います。

一方で、使ってみないと具体的にイメージがわかないということも言えると思います。

そこでご提案なのですが、まずは、売却を控えている土地一筆についてのみや、将来の葬儀費用の管理のみ、といったいわゆるピンポイントでの活用を試してみられてたらいかがでしょうか。実際に活用してみるとその使い勝手等が実感することができます。まずは、小さく始めてみるのもの財産管理の選択肢を増やす一つの方法かもしれません。

(ななみ)

2018年3月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

3月10日研修会を担当しました。

1講目 「信託と基礎と受任時における聞き取り方法」当グループ所属 本木敦

2講目 「契約条項から信託目録を起案してみよう」当グループ所属 中川紅子

3講目 「信託実務の盲点」当グループ所属 小林真人

今回の研修では、理論的なところから実務的なところまでを押さえ、民事信託を実践していただくことを目標としていました。

叶うがお届けした内容は、多くの会員の役に立ったと自負しております。

このような機会をいただいた静岡県司法書士会浜松支部にこの場を借りてお礼申し上げます。

文責:本木敦

2018年3月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

3.11

数年前、法律相談の相談員として被災地を訪れたことがあります。1泊2日の日程でした。1日目は相馬市で、2日目は南相馬市でした。1日目は相馬市で宿泊し、2日目の朝、南相馬市に向けてレンタカーを走らせました。土曜日にも関わらず、道は自動車で混んでいました。早めに出発したおかげで、時間には間に合いました。

地元の司法書士が出迎えてくれて、お礼と労いの言葉をいただきました。いろいろな話をしている中、私が「土曜日にも関わらず、道が混んでるところを見ると、賑わいも取り戻し始めたんですかね。」と言うと、地元の司法書士は「それは、原発に向かう作業員の車ですよ。」と答えました。

その司法書士は、すぐさま別の話題を振って会話を続けましたが、私は無神経な発言をしてしまったと、強く後悔しました。

 

7年経過しても、避難生活を送っている方がいらっしゃいます。3.11はいまだ現実として存在しているんだと、あらためて認識しました。(小出)

2018年3月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

こば紀行#54 未来京都➁

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第54回目は未来京都②

京都は歴史と近現代が調和した街だ。数ある国宝級の歴史遺産を持ちながら、大都市としての側面も持ち合わせている。が、中には歴史の跡形もない未来の顔を覗かせてるものがある。

酢屋~

1721年(享保6年)材木商として創業。幕末当時は、6代目店主が龍馬と海援隊士を匿っていた。幕府、倒幕急進派の双方から命を狙われる身であった龍馬は、この場所から近江屋へと拠点を移すが、その3日後に暗殺されてしまう。危険を察し引っ越した先はもっと危険だった…という皮肉な歴史を持つ。2018年、酢屋は今なお同じ場所で、1階は木工芸品のショップ、2階は「ギャラリー龍馬」として商いを営んでいる。

~池田屋~

1864年(元治元年)、京都の治安を守るべく近藤勇率いる率いる新撰組は、当時旅館であった池田屋で、謀議を図っていた尊攘派志士20数名を襲撃した。壮絶な戦闘の末に、京都御所焼き討ちの企てを未然に防ぐことに成功する。新撰組がその名を上げた場所だ。2018年、池田屋はただの居酒屋へと変貌を遂げている。名前こそ辛うじて残っているものの、今のこの有様を近藤局長がご覧になられたら、怒り狂い襲撃するだろう。

~土佐藩邸跡~

戸時代初期、高瀬川のほとりに土佐藩邸が置かれ、幕末には龍馬のほか、武市瑞山や中岡慎太郎、後藤象二郎ら名だたる志士達がこの場所を拠点に活躍した。2018年、当時藩邸だったすぐ裏には、大人男子の秘密の部屋が用意されている。目覚ましい活躍をするには英気を養う必要があるのだろう。いかにもあらたま先生が好んで出入りしそうな場所だが、当時の志士達も今のこの環境を見たらさぞ喜ぶことだろう。

~近江屋跡~

1867年(慶応3年)12月10日、龍馬は京都河原町近江屋にて暗殺される。暗殺の直前、龍馬は軍鶏鍋を頼んだそうで、その龍馬が食べ損ねた軍鶏鍋を、私が代わりに食べるべくこの地に赴いた。2018年、この付近は京都でも屈指の繁華街である。当時の近江屋は跡形もなく、今はただの「かっぱ寿司」へと変貌を遂げている。これでは軍鶏鍋を食べられないではないか…僅かな希望を託し、店内へ入るもメニューに軍鶏の文字はない。また、近江屋は当時、土佐藩御用達の醤油屋だったそうで、ならば寿司の醤油は近江屋製だろう!期待するも、キッコーマン製であることに肩を落とす。

京都には数多くの歴史遺産がある。ガイドマップに記された以外にも、壮絶な歴史を持ちながら、平凡な未来へと変化を遂げた史跡が身近に転がっている。皆さんも是非、あなただけの未来京都を見つけて欲しい。(こばやし)

 

 

2018年3月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

何でも信託!?

先日、母親の家族信託について相談したい、という方のお話を伺いました。

 

お話の内容としては、

・現在は母親は元気で意思能力も問題ないが、高齢なので認知症が心配

・資産は預貯金と自宅の建物(自宅の土地は相談者名義)

・母親としては、自分が亡くなった場合の遺産は子供たちで相談して分けてくれればよいと思っている

(特に『誰に何を残したい』『自宅の建物を継いでほしい」などの意思はなく、自分が亡くなったら子供が好きに処分していいと思っている)

・母親は自宅で一人暮らし。子供はそれぞれ家があり、実家に戻ることはない。

・子供たちの中では、母親が亡くなったらどう相続するかは何となく話し合っており、相続でもめることはなさそう

 

というものでした。

 

母親の収入は年金のみだそうですが、多額ではない(相談者曰く)が預貯金があり、

出費も多くないので、生活としては成り立つそうです。

 

ここまで聞いて、正直『信託する』必要はないのではないか、と思いました。

 

特別に管理しなければならない(管理が大変な)財産があるわけでもなく、

財産の承継が難しそうな特別な事情もなく、

本人(母親)が「財産をこのように承継したい」という意思があるわけでもないからです。

 

別に『信託』せず、通常通りの財産管理を母親が行い、

もし認知症になったら『成年後見制度』を利用すればよいのではないかと思い、

その旨を相談者にお伝えしたところ、

 

『だって、成年後見制度って面倒くさいんでしょう?』

『お金が動かせなくなるって聞いた』

『家族が自由にできないんでしょう?』

と言われてしまいました。

 

巷で『成年後見制度』『家族信託』が話題になる一方で、

こういった誤解が多くなった気がします。

 

『家族信託』しても、家族が勝手に母親のお金を何にでも使えるわけではありませんし、

『成年後見制度』を使っても裁判所にお金を取り上げられたり、お金が使えなくなるわけではありません。

 

相談者の方は、メディアで認知症対策として『信託』が取り上げられたのを見て、

とりあえず『信託』しておけば家族が困ることはない、と思ったそうです。

 

高齢化が進む日本で、財産管理の方法として『信託』は有効な手段の一つではありますが、

親に『信託』させて家族が好きに使う、という構図になってならないと思います。。

 

2018年3月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust