信託に相応しい案件の考察(1)

はじめに,一概に信託に相応しい案件かどうかということを断じて書くのは難しいことを申し上げておかなければならないだろう。

やはり事例に応じて,個別に検討することが重要となる。

今回は先ず事例を挙げて,次回,その考察をしたい。

事例

家族構成 本人(75歳) 妻(73歳) 子一人娘(50歳) 孫二人娘(27歳,25歳)

本人:不動産業 妻:専業主婦 子:看護師 孫:専業主婦 孫:学生

資産 共同住宅2棟 築10年と築3年 本人の自宅は前記共同住宅内の建物の一室。預金3000万円

意思能力 本人,妻,子,孫全員意思能力あり。

本人の希望:ゆくゆくは娘に不動産業を承継したい。

子の希望:不動産業とか継ぐことになるのかな(はっきりとした自覚はない)。父が脳梗塞とか突然倒れたり,意思能力がなくなってしまったときにお金の管理ができるようにしておいてもらいたい・・・

 

(続く)

文責:本木敦

2018年6月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

こば紀行#63 箱根周遊②

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第63回目は箱根周遊②

ケーブルカーと箱根登山鉄道は「トコトコきっぷ」という1 日乗り放題の乗車券を利用すれば、周辺各種施設の割引もある。その1つが強羅公園で、駅を出てすぐのところにあり、入場も無料とあれば行かないわけにはいかない。フランスの庭園を模したもので、季節により色んな花が咲き誇る。小さなフラワーパークといったイメージで、やはりおっさんの一人歩きは憚られるスポットだ。天気も良くなり、こののどかな庭園は時の流れを忘れさせる。

次なる目的地が彫刻の森美術館。美術館というと屋内のイメージだが、ここはある種テーマパークに近い。広大な庭園の中に近現代を代表する彫刻家の名作が展示されていて、独特の雰囲気を醸し出している。足湯もあるが、待ちができるほどの混雑ぶりで、敢えてここで足湯に浸からずとも、庭園に点在する展示物を見て歩くだけで十分に楽しめる。

なかでもピカソ館はオススメだ。ピカソは作風がめまぐるしく変化した画家として有名で、そのピカソの人生の歩みに沿うように様々な作品が展示されている。その作風の変化は、私生活での出来事が色濃く反映されているのだと思うと何だか興味深い。2度の結婚、3人の女性との間に4人の子供をもうけ、最後の子供は彼が68歳の時、20代女性との間にできたそうな。。ピカソといい、何とかのドンファンといい、うらやましい気がしなくもないが、私は覚醒剤を盛られて死にたくはない。ほどほどの富とささやかな幸せが1番なのだと思う。

彫刻の森で思いのほか時間を取ってしまい、急ぎ登山鉄道で湯本へ向かう。目当ては「直吉」という店の湯葉丼だ。夕方、閉店間際に訪れてもなお待ち客がいるほどの人気ぶり。正直私は湯葉はちょっと…と思っていたのだが、そんな私でも思わず「ほぅ」と感嘆してしまう。湯葉好きというちょっと変わった趣向をお持ちの同行者も大変満足されたようでほっとしている。

帰り道、箱根神社の鳥居がライトアップされていることに気付く。写真だと不気味以外の何ものでもないが、実物はもうちょっと幻想的だ。ちなみに21時半で消灯してしまう。当初計画したルートの半分も制覇してないが、想像以上に楽しいこば紀行となった。(こばやし)

※今回の取材にご協力頂いたRさんに感謝します。ありがとう!

 

2018年6月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

相談者の意向を汲み取る

先日、『民事信託をやりたいので相談したい』という方のご相談を受けました。

 

この方のように相談者から「『民事信託』をやりたい!」と言われるケースは最近少しずつですが増えてきました。

この方の場合、司法書士事務所を訪ねる前に、無料のセミナーで民事信託を勧められたようで、「自分たちの問題を解決するためには民事信託が適している」という認識をお持ちでした。

このような場合でも、司法書士は言われるままに信託手続きを進めることはありません。

まずはゆっくりと時間をかけて相談者の家庭の事情や様々な悩みをお伺いし、一つ一つ問題を確認していく作業が必要になります。

というのも、相談者の抱える問題が本当に民事信託で解消されるのかどうか、しっかり見極める必要があるからです。

 

相談者が「民事信託がいい」と言っているのに、司法書士がすぐに対応せず、事情を細々と説明しなければならないのは相談者の方にとってストレスかもしれません。

 

しかし、「そもそも民事信託が適しているのかどうか?」「他の解決策はないのか」という点を確認するため、必ず事情を聴くようにしています。

 

というのも、昨今民事信託に熱心な業者が増え、色々なセミナー、説明会、無料相談が行われているのですが、「民事信託をしておけば何でも可能」「認知症になっても家族が財産を好きに処分できるので安心」など、誤解を招く表現で説明され、まるで民事信託が万能であるかのように推奨されている場合があります。

 

なかには、困った事情がない方や民事信託をする必要性がない方から、「周りに『とりあえず信託しておけば困ることはない』『民事信託はいいものだ』と言われたので、とりあえず信託したい」と言われて閉口したことがあります。

 

無論、信託には様々なメリットがありますが、デメリットや注意点もあります。

よく説明せずに、相談者の方に言われるがままに信託した場合、かえって相談者の方の意向とは異なる結果になる可能性があります。

相談者の本当の意向に沿うため、ゆっくりと時間をかけて事情を伺ってから、ようやく伺った問題を解決するために最適な信託のスキームを提案する作業へ移ります。

 

相談者の方から見ると、まどろっこしいかもしれませんが、この事情聴取により、相談者の方にとっていい信託となるか否かが決まるので、お付き合いいただきたいと思います。

2018年6月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

株式の信託は株式の機能を2つに分けて活用する

株式を所有するということは、株式を使用、収益および処分する権利をもっていることになります。

株式を信託する場合、この権利(機能)を2つに分けて別々の人に持たせることで単に所有するだけではできないことができるようになります。今回はそのイメージだけつかんでください。(ななみ)

 

2018年6月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

金融機関の対応

信託に向き合ってくださる金融機関も増えて,この実務に携わる者としては喜ばしい限りなのですが,金融機関さんですと独自の基準が設けられていることがありました。

今回,お手伝いさせていただいたお客様には,理由あって信託監督人の定めを置いていなかったのですが,ある金融機関さんですと信託監督人の定めがないとお取引できないと言われてしまいました。

金融機関さんの立場も理解できますが,信託の趣旨から考えますと法律違反をしているわけではないのですからある程度自由な設計が認められてもよいのではないかと思いました。

文責:本木敦

2018年6月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

「再審の請求」と「再審の開始」

刑事事件において確定した判決を再び審理(再審)するには、再審の請求をする必要があります。再審の請求をするための要件は刑事訴訟法435条に定められています。いくつか規定されていますが、その一つに「原判決の証拠となつた証拠書類又は証拠物が確定判決により偽造又は変造であつたことが証明されたとき。」というものがあります。今回の「袴田事件」はこの要件をもとに、再審の請求を行っているものと思います。法律上、再審の開始を勝ち取ることはとても大きな意味を持っています。

刑事訴訟法448条2項では、「再審開始の決定をしたときは、決定で刑の執行を停止することができる。」と規定されています。

一方、442条は、「再審の請求は、刑の執行を停止する効力を有しない。但し、管轄裁判所に対応する検察庁の検察官は、再審の請求についての裁判があるまで刑の執行を停止することができる。」

つまり、再審の開始を勝ち取れば、死刑執行の停止を確実に認めてもらう道が開けるのです。それに対し、再審の請求では、それがないのです。これは、当事者にとっては大きな違いとなります。

「再審の請求」と「再審の開始」。似ているようで、その重みは全く異なります。(小出)

2018年6月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

こば紀行#62 箱根周遊①

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第62回目は箱根周遊①

とある休日、箱根を目指して車を走らせる。前日夜はメイストームと呼ばれる荒天候だったが、朝には雨も止み晴れ間も見えてきた。今回の目的は「箱根フリーパス」(4,000円)を利用してあらゆる乗り物を制覇すること。今回は同行者もいるため、いつになく気合いが入る。計画したコースは次のようなものだ。

車で元箱根まで→そこから海賊船で芦ノ湖遊覧→船で桃源台駅に着いたらそこからロープウェイに乗り換える→大涌谷で黒たまごを食しそのまま早雲山まで上る→早雲山からはケーブルカーにて強羅まで下り→強羅周辺の公園、美術館を巡り→登山鉄道にて湯本まで行き食事、温泉で〆る。我ながら壮大な計画だ、ワクワクする!

が、この計画は初っ端の元箱根でつまづく。乗り換え予定の海賊船が濃霧で運転見合わせなんだとか。こうして見ると、幽霊船のような風格がある。出鼻をくじかれた形だが、そのまま車で桃源台駅へ向かう。霧の芦ノ湖を眺めながら、虚しく船に乗った自分を妄想する。そして、桃源台に着くとそこには次なる試練が待ち受けていた。運休かよ(゚ロ゚)→

これも運命なのか…期待に胸を膨らませ描いていたものが音を立てて崩れていく。どうしよう…途方に暮れるこばやし。

箱根神社に立ち寄った後、計画どおり早雲山駅へ向かう。ただ、ロープウェイではなく車なのだが。早雲山駅付近の駐車場に車を止め、ケーブルカーに乗り換える。さすがにケーブルカーや鉄道は通常どおりの運転だ。この沿線は6月中旬からあじさい列車と呼ばれる程、たくさんのあじさいが咲き誇るという。が、この日咲き誇っていたのは列車のシートのあじさいだ。そうこうしているうちに、ケーブルカーは終点強羅に辿り着く。(つづく)

 

2018年6月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

家族の資産を考える

ご両親が不動産賃貸業を営んでいる方から相談されました。

 

相談内容としては、以下のようなものでした。

『両親とも不動産が大好きで、不動産屋さんに勧められるとすぐに欲しくなって買ってしまいます。

しかも、現金では買えないので毎回金融機関から借入をして購入しています。

両親は高齢なので、借入返済が終わる前に亡くなる可能性が高く、自分が最終的に借金を引き継ぐことになるのではないかと思いますが、ちゃんと返済できるか不安です。

これ以上、両親が不動産を買うのを止めることはできないでしょうか?』

 

お話を聞くと、ご両親は認知症などではなく、業者さんに騙されているわけでもなく、自分がその物件を欲しくて、検討した上で購入しているようでした。

 

そうなると、お子さんが不動産購入を反対することはできますが、購入するのはあくまでもご両親であり、お子さんは当事者ではないので、ご両親が説得により考えを変えない限り、不動産の購入をすることはいくら家族といえども止められません。

その方には、よく家族で話し合ってもらうしかない旨をお話しました。

 

親の財産はあくまでも親のものですが、こどもの人生にも大きく影響します。

親子でお金の話をすることは難しいかもしれませんが、そういう機会を持つことの重要性を感じました。

 

2018年6月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

支店が変わると信託口口座作成のハードルが・・

ある方が、親族の財産を受託者として預かるため、●●銀行に信託口口座を作成したいということでしたので、資料をお渡しして銀行に出向いてもらったところ、担当者がよくわからないという理由で一旦あきらめて帰ってこられました。

その銀行では、別の複数の支店で作成されている実績があることも伝えてもらったのでが・・。まだまだ、実務的には課題がありますね。

(ななみ)

2018年5月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

型にはまる

若い頃は「型にはまる」ということを否定的にとらえていました。

年齢を重ねるごとに,型はとてもありがたいと思うようになりました。

思えば,ソフトボールの型,陸上競技の型,勉強の型,司法書士の型いろいろなことを学んできたような気がします。

当時は意識はしていませんでしたが,私が取り組んできたものにはすべて「型」があり,それにはまるように学習していたような気がします。

この年になって「型にはまる」ということは本当はできないのではないかと思います。

「型にはまる」過程の中で,必ず派生するものがでてくる。完全に型にはまることはできないと思います。

派生するものこそが「個性」であり,本当の意味での「個性」とは,「型にはまる」過程を経なければ生まれないのではないか,と思います。

文責:本木敦

2018年5月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust