父親が住んでいた実家を長男が相続したのですが、妹が長男が相続した後も頻繁に来て自分の家のように過ごしているという相談がありました。 (デフォルメしています。)
当初、その事態に困っていると思っていたら、そうではなくて、長男は、将来、妹に実家(土地も)の名義を移したいと考えているのでした。
自分たちが生まれ育った実家は、二人にとって、とても思い出深い場所です。長男名義になったからといって、妹にとっては「自分の家」なのです。長男もそれはわかっていて、他のところで別の暮らしをしている自分よりは、家を大切に思ってくれている妹に実家(土地も)の名義を移してあげたいという長男の想いも理解できます。かと言って、生前に名義を変えるのは贈与税が発生してしまいます。(長男側には、他にも事情があり実家の所有権に執着してません)
実家の敷地には、借家も建っていて人に貸しているそうです。遺言という手段も選択肢の一つとなりますが、長男としては、自分が認知症になったときのことも含めて、早めに妹に実家の管理を任せたいという気持ちがあるようです。
はい、皆さんもお分かりのように、委託者を長男、受託者を妹とした民事信託の組成も選択肢の一つとなると思います。(名波)