『相続分不存在証明書』というものがあります。
(『特別受益証明書』とも言われています)
この証明書は、相続が発生して相続人になったものの、
生前亡くなられた方から贈与を受けていたので、今回相続すべき財産がないことを証明するものです。
しかし、この証明書が本来の使い方ではなく、
遺産分割協議を避けるため、特定の人物を遺産分割協議に参加させないために使われることがありました。
遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要です。
一人でも非協力的な人がいると成立しません。
それに比べ、「相続分不存在証明書」は、相続人が「相続すべき相続分が無いこと」が記載されている書面に署名押印がされていれば足ります。生前贈与などを受けた財産の内容を書く必要はありません。
そのため、実際には特別受益に相当する生前贈与などを受けていないにもかかわらず、
特定の人物を遺産分割協議から排除するために「相続分不存在証明書」が作成され、実務の場でも多く使用されていました。
実際には贈与を受けていなくても、このような証明書の内容を了解した上で署名押印した以上、
内容が事実と相違していてもこの証明書が有効(遺産はもらえない)判例があります。
『自分は財産をもらう気がないから』
『この不動産はいらないから』
と安易な気持ちで署名される方がいますが、この証明書の持つ意味をしっかり理解した上で
署名押印しなければ後々トラブルとなる可能性があります。
他の相続人からこの『相続分不存在証明書』に署名押印するように頼まれた場合、
安易に署名せず、専門家に相談することをお勧めします。

ある。
確かに、広大な終着駅から古い町並みの中へ、ヨタヨタと延びる1本の線路がある。この線路を追いかけ、自転車で北上する。赤坂は旧中山道の宿場町だったらしく、町並みは今もその面影を残している。その町並みの中、線路は延びる。踏切はあるが、大半は信号も遮断機もない。お茶屋さん専用の踏切があったり、踏切を渡るとそのまま玄関先という民家まである。外構で踏切を備える家なんていかにも贅沢に見えるが、踏切を渡らないと自宅に辿り着けないと思うと若干気の毒でもある。
、信号も遮断機もない。あるのは「止まれ見よ」との注意書きだけだ。よく見るとその下に貼紙がある。その貼紙には手書きで次の様に記されていた「いつもの時間に貨物列車が走行します」。いつもの時間っていつだよ…しかし、この町ではこれで十分に通じるらしい。暗黙の了解というやつだろう。これで万事物事が通じるのであれば世界は平和なのだろうが、そんな世界はおそらくここだけだ。そんなことを考えているうちにお目当ての列車が来た。
巻だ…
度は美濃赤坂駅の南へ走ると、またもや別の線路が西へ延びていることに気づく。また、駅南
西の小高い丘から矢橋工業の背後にあった山、金生山に目を遣ると、その山肌はガリガリに削り取られている。町はこの金生山を囲むように西濃鉄道、昼飯線と市橋線が延び、沿線沿いに石灰石の採掘工場が建ち並んでいたのだ。1928年に開業した西濃鉄道2線のうち昼飯線は2006年廃線、代わりに現在は大型ダンプカーが辺りを行き交っている。この町は金生山を中心に石灰石の採掘で栄え、鉄道網がそれを支え、そして今その役目を終えようとしている。何気ない風景には、それぞれに意味と歴史が刻まれている。そんな小さな気づきを忘れない人でありたい。(昨日の会議を忘れていたこばやし)