第10条 信託金融資産の管理運用および処分

(信託金融資産の管理運用および処分)
第10条 受託者は、受託者が相当と認める方法により、信託金融資産の管理運用および処分、その他本信託の目的達成のために必要な行為を行い、信託不動産に関する公租公課、各種保険料、営繕修繕費等および信託事務処理代行者に対する報酬その他の必要経費を支払いまたは積み立てるものとする。
2 信託金融資産については、預貯金又は元本保証された金融商品として管理するものとする。

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信託不動産の管理方法については9条で受託者の行為に制限を加えました。
同様に、信託された預貯金等の金融資産に関する管理方法について定めたのが本条です。

1項は、受託者として当然にできること、すべきことを確認的に規定した条文ですので、これによって受託者に特別な義務が発生するわけではありません。

注意したいのは2項です。
民事信託の場合、信託財産を運用して利鞘を稼ぎ、これを受益者の生活費の足しにしなければならないという事情は極めてまれです。むしろ、元本割れリスクのあるような金融商品に投資して信託財産が減少すれば、直ちに受益者の将来の生活不安に直結するおそれが生じるわけですから、受託者にはこのような行為を厳格に禁止しておくべきであると考えています。  (中里)