民事信託はお元気なうちに!

先日、知り合いの保険業界の方から、「民事信託の関連で、受託者が不動産を売却したところ、それを覆すために裁判になったケースがあるらしいですよ」という話をお聞きした。

それをお聞きした私が想像したのは、そもそも受託者が権限外の行為をしたか信託契約そのものに問題があったかのどちらかということです。

おそらく、受託者が権限外行為として売却することはあまりないと考えます。信託の登記にも受託者の処分権限が記載されるので、それに従って売却が行われた可能性は高いと思います。

とすると、そもそも信託契約に問題があったのかもしれません。一番可能性が高いのが、委託者の契約時の判断能力の問題です。民事信託のご相談をお受けいていると、「親が認知症の可能性がでてきているので、今のうちに財産を移してほしいのですが・・」という内容のご相談がときどきあります。

そうした場合には、成年後見のお話をしっかりとさせていただくのですが、潜在的にそういう状態のときの選択肢の一つとして民事信託が選ばれている可能性があると感じるときがあります。

結局、私がお聞きした裁判のお話の背景は想像するしかないのですが、いずれにしても、委託者の判断能力をはじめ、信託行為の一つ一つ丁寧に向き合う必要性をあらためて感じさせてくれるお話でした。(ななみ)

2018年3月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

ゴートゥカトマンズ(4)

上海での二日間は,とても新鮮なものだった。

ケンタッキーは「肯徳基」,マクドナルドは「麦当労」などと表記されている。中華料理に入るときは緊張した。メニューをみても何の料理がよく分からない。チンジャオとかマーボーといった著名な料理は分かるものの,軽はずみな冒険心を起こしてしまったばかりにとんでもない料理とつきあわなくなってしまうとも限らない。私の正体は貧乏学生であったし,金欠のリスクを犯すことはできなかった・・・無難なところで注文するのではあるが,どの料理もおいしかった。

海外で注意しなくてはならないのは水。水道水などをうっかり飲んでしまうと激しい後悔に悩まされることになる。幸いにも私は大きな事故は起こさなかったが,仲間は早速被害に遭っていた。

上海の二日目の朝,私は一人で散歩をした。およそ不思議な光景であったと記憶している。

我々世代が若い頃によく見た中国の映像は,舗装された道路に自転車に乗る大勢の人々ではないかと思うが,まさにそんな感じ。この国の移動手段は自転車が主なのかと思った。次は上海から内陸部に移動する電車の中のでの出来事を紹介しよう。

 

文責:本木敦

 

2018年3月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

遺言について~完~

前回は遺留分の割合について話しました。

では、この遺留分はどうやって実現するのでしょうか。

例として、夫が遺言で第三者に財産の全てをあげたとしましょう。この場合、配偶者である妻の法定相続分は2分の1です。そして遺留分は法定相続分の2分の1ですから4分の1ということになります。この4分の1を第三者に対して請求するだけでいいのです。第三者の承諾は関係ありません。なお、このような請求を「遺留分減殺請求」といいます。

このように、遺言に不満があれば相手方に請求することができるのですが、注意していただきたいのは、請求する期間が制限されているということです。スライドに書かれているように相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年、相続開始後10年となります。ご注意ください。

 

全9回にわたって、いろいろと話しましたが、最後に3点だけ復習として確認します。

一つ目は、遺言は元気なうちに作成してください。

二つ目は、遺言は公正証書遺言をお勧めします。

三つ目は、遺留分を意識した遺言を作成してください。

遺言がないばっかりに、相続に関する紛争が解決しない家族もたくさんいらっしゃいます。遺言はご家族への最後のメッセージにもなります。是非、ご検討ください。(小出)

2018年3月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

こば紀行#53 未来京都①

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第53回目は京都編その1

古都として、観光都市として、あまりに偉大すぎて今さら私ごときが紹介するまでもないのだが、あくまでも私ならこう見るという視点でこの街のスポットを紹介させて頂く。

~京都駅~

京都の玄関口でもあるこの駅は、1997年に現在の駅ビルが完成。巨大な吹き抜け空間と延々と続く大階段、ガラス張りの外観は未来志向のデザインに溢れている。新しいものと歴史あるもの、2つが調和をもって共存するこの街を象徴する建物だ。そして、何よりも素敵なのが、エスカレーターで10階まで行くと「京都拉麺小路」という全国各地の有名店が集結したラーメン街がある。たぶん、東京ラーメンストリートよりクオリティは高い。いずれまた別枠で特集したい。

~本能寺跡~

1582年、明智光秀の謀反により天下統一目前の織田信長が焼き殺されてしまった地。その後、寺は別の場所に再建、光秀が放火を働いたこの場所は、今は京都市本能地区の消防分団の建物となっているのは歴史の皮肉だろうか。寺を焼失させてしまった過去の教訓を生かし「火の用心」なるポスターまである。が、1582年当時の信長公は、火の用心レベルの用心では、もはやあの悲劇を避けることはできなかっただろう。そう思うと、閑静な住宅街にあるこの普通の建物にも歴史の重みを感じる。

~清水寺~

いわずと知れた修学旅行の鉄板ルート。例外なく中坊こばやしもこの地を訪れている。で、当時からあったのか?全く気付かなかったが、清水の舞台のすぐ裏に「地主神社」なるものがあり、縁結びの神様として祭られている。入口があまりにベタすぎて、40超えたおっさんが1人で行くにはかなり抵抗がある。同年代で入れるのはあらたま先生だけだろう。取材だと割り切り意を決して飛び込むが、周囲は未成年と覚しき方ばかり…怪しまれる前にそそくさと引き返す。私も修学旅行当時にこの場所の存在に気付いていれば、今という未来が変わっていただろう。「今年こそ良縁を」の文字がグサッとくる。

~霊山護国神社~

今回の京都紀行のテーマは実は坂本龍馬にまつわる地を巡るというもの。この神社には龍馬を始め、木戸孝允や中岡慎太郎など数多くの幕末の志士達が祀られている。境内には歴史館も併設されており、幕末の動乱期に思いを馳せることができる。が、なぜか入口箇所に→のようなガチャガチャが配置されている。連合艦隊…海援隊の未来ということか?

京都は歴史と近代が調和した街だ。古都京都としての重厚さを残しつつ、近未来的な側面も持ち合わせている。次回、こばやしはそんな京都の未来志向な側面を、龍馬にまつわる史跡の中で目の当たりにすることとなる。 (つづく)

 

 

 

2018年3月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

共同体と相続

この仕事をしていると、色々な団体に出会います。

『法人格』がある株式会社や医療法人、宗教法人などは勿論、登記されていない任意団体(『自治会』や『委員会』、『組合』など)もあります。

法律上、法人格を有していない団体の場合でも、団体としての実質を備えて活動しているので、

時として権利を有し、または義務を負うかのような外観を生じます。

 

今相談されているのは、昔はその地域に住んでいる方が『皆』で所有していた財産、権利があったのですが、だんだん亡くなられて方が多い中で、その財産の現状の所有関係が分からない、というものでした。

 

そもそも『皆』で所有しているのか、その持分の一部を皆で持ち合っているのか?

それが一般的な相続の対象になるべきものか否かを含めて、当該団体の規約や民法とにらめっこしています。

 

昔は何となく『これは皆のもの』という感覚だけだったと思うのですが、

法律上はそうもいかないので、悩ましいです。

2018年3月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

調停人のスキルが民事信託にも活きる⁉

先日、宮城県司法書士会さんに、調停人養成講座の講師としてお招きいただきました。

調停では、相手の話を「聴く」ことがとても重要になります。そして、「聴く」には、「適切に言語化する」も含まれていると思っています。

民事信託のご相談をお受けするときも、委託者の想いをいかに「適切に言語化」するのかを意識しています。

調停人としての勉強や実践から身に付くスキルが、民事信託の実務にも活きると思っています。(ななみ)

2018年2月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

司法書士特別研修

司法書士特別研修のチューターを拝命していましたので,この日曜日月曜日と横浜まで行って参りました。

司法書士特別研修とは,日本司法書士会連合会が実施するもので,司法書士が簡裁訴訟代理等関係業務を行うにあたって必要な能力を習得することを目的とする研修です。この研修は毎年2月に全国の主要都市を会場として実施されていて,今年で第17回目です。私も第4回目に受講しました。静岡の受講生は神奈川の会場になることが多いのですが,私は諸事情で神戸の会場で受講したことを覚えています。

実は,今年で5回目のチューターでした。例年,合格したばかりの司法書士と触れ合うことで,フレッシュな感じを思い出しています。

私の担当するパートは例年通り,金銭請求訴訟の模擬裁判です。今年から新しい事例になり,少し戸惑いましたが大きな混乱もなくほっとしました。この模擬裁判では,尋問を経験できる大変貴重な機会です。私もこれまでに数える程度しか尋問を経験していません。この研修で経験した尋問が実際の訴訟で大変参考になったと感じています。

この研修が受講生にとって実りのあるものになることを願ってやみません。

文責:本木敦

2018年2月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

遺言について~⑧~

今回は遺留分の具体的な割合について話します。

その前に、遺留分は全ての相続人に認められるのかというとそうではありません。被相続人(=亡くなった方)の兄弟姉妹には遺留分は認められていません。この点はご確認ください。

遺留分の具体的な割合ついては、一般的には、法定相続分の2分の1が認められています。2分の1が遺留分の原則と思っていただいて結構です。例外として、相続人が父や母のように上の世代だけの場合には、2分の1ではなく3分の1になります。(小出)

2018年2月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

こば紀行#52 上呂と下呂

このコーナーでは、浜松から日帰りで行けるプチ観光スポットをご紹介しています。

第52回目は上呂と下呂

下呂温泉第2弾、前回(こば紀行#7参照)やり残したことを中心に取り上げる。下呂温泉へのアクセスは前回と同じく青空フリーパスを利用、特急を使わなくてもおよそ4時間ちょっとの道のりだ。観光案内所ほか、各お土産店等で販売されている湯めぐり手形があれば、1300円で加盟旅館の日帰り温泉を3か所利用できるというところまでは前回ご紹介済み。

今回はそんな下呂温泉を無視してまず向かったのが上呂駅。高山本線下呂駅から高山方面へさらに3駅行ったところにある。下呂に対して「上呂」という地名に惹かれ、何の予備知識もなくこの駅に降り立ったのだが…結論、何もない。いや、何も発見できなかったと言うべきか。期待していた上呂温泉らしきものもない。岐阜県下呂市萩原町上呂…あとはあらたま先生の解説に譲る。

仕方なく近くを通る国道沿いの「大安食堂」へ寄った。お昼も14時を回ったというのに満席だ。店内はスキー帰りの若者やトラックの運ちゃん、地元の人で賑わっている。皆さん、名物の「とんちゃん」がお目当てのようで、私もそれを注文する。豚肉をキャベツや玉ねぎと一緒に少し甘めの味噌ダレで炒めたもの、トッピングでうどん玉を追加した方が良い。

帰りに下呂温泉へ寄る。前回やり残したこと、それは飛騨牛ラーメンを食すること。飛騨川を渡り温泉街を左に入ったところ、温泉博物館近くにある「飛騨屋」のそれだ。普通の醤油ラーメンに飛騨牛が麺を覆うように乗っかっただけなのだが、これがうまい。1200円。最後は下呂温泉合掌村へ。当日は雪が降りまあまあ情緒的な1枚が撮れた。雪道を滑らないよう踏ん張りながら20分歩いただけのことはあったと思う(自己満足)。が、基本は白川郷から移築したものなので、ここまで来たなら白川郷まで行くべし。 (こばやし)

 

 

 

2018年2月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust

相続のやり直し

先日、5年以上前に亡くなった父親の相続手続きのやり直しをしたい、との相談を受けました。

 

亡くなられた方(父親)には、妻(相談者の母)、と相談者を含む何名かの子がいたそうで、

皆で話し合った結果、長男(相談者から見ると兄弟)が後継ぎということで、実家など他の相続人より多くの財産を相続したそうです。

 

しかし、最近になってその長男が亡くなり、父親から長男が相続した財産を、長男の嫁や子(亡くなった方の孫)が相続することになったため、遺産分割協議の際に思い描いていた方向性と変わってしまったそうです。

 

相談者の方としては、『長男が後継ぎとして相続し、実家を守っていくなら納得できるが、それができなくなった以上、長男の相続人ではなく、自分たちの兄弟の誰かが相続して守っていくようにしたい』との思いをお持ちでした。

 

相談者の方としては、相続するのは○○家の財産であり、○○家の者が継いでいくべき、とのお考えでご相談いただいたのですが、一度相続手続きが完了し、名義変更したものを別の方に名義変更することは容易ではありません。

 

もし、やり直しをしたいのであれば、相続人全員で決めた『遺産分割協議』という契約を解除する必要がありますが、相続人の一部の人が勝手に解除することはできません。

 

また、一度相続手続きが完了した財産を別の方に名義変更すると、『贈与』とみなされ贈与税が課せられる場合があります。

 

この場合、長男が相続した財産の処分は、長男ご自身の遺言書があればその内容に従い、遺言書がなければ長男の相続人の判断で行われることになり、相談者(長男のご兄弟)が干渉はできません。

 

相談者は納得いかない様子でしたが、一度名義が変わってしまうと、『あれは○○家の財産』は通用しません。

 

相続の名義変更の話し合いの際は、今後色々な事態により、財産の行方が変わる可能性があることにご注意ください。

2018年2月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : trust